どうにかしないと困る。あたりを見回すと古新聞紙が散らばっているのみである。あー・・・・でも、これしかないのである。その古新聞紙を切り裂いてよく揉んだ。何回も揉んで柔らかくしてそれを用いた。でも痛かった。しかも新聞紙なので水分を吸ってくれない。何回も拭いていたらヒリヒリ痛くなってきた。まあ試験時間もそこそこ近づいてきたので、慌ててトイレを飛び出して会場に向かった。いろいろあったが結局、合格してその大学にいくことになった。「勝てば官軍」、結果がすべてなのである。もし落ちていたら、「あの時、『早く治る強力な下痢止め』を飲んでいればよかった」と誤った思考回路ができあがっていたかもしれない。あの時はしわくちゃに揉んだ古新聞を用いたので、少し指についたかもしれない。でも「ウンがついた」ので合格したのだと思えばそれもいい経験である。汚い話で恐縮である。とどのつまり「早く治る薬」なんてのはないのである。