吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

早く治る薬 その8

2013年02月27日 07時09分27秒 | インポート

 うちに時々見えられる高齢の患者さんである。他院から血圧の薬をもらっている。時折ひどい頭痛に悩ませられうちに来院する。通常の鎮痛剤をだしてもそのときだけしか効かない。偏頭痛の薬もだしたがあまり効果がない。あまりひどいのでご本人がどこかの頭痛外来を紹介してくれというので2年位前に紹介した。その後、外来にお見えになったので聞いてみた。「頭痛外来は如何でした?」 すると「先生、いろいろ画像診断とかいろいろやったのですが低髄圧性の頭痛や、偏頭痛でもないそうで、普通の鎮痛剤のみ出されました」と・・。そしてしばらくは落ち着いていたのであるが、数ヶ月前にまた「先生、最近また起床時に特に頭痛がひどいんですよ」と来院した。はっとひらめいた。血圧高めで体力なさそうな(虚証)の人で起床時の頭痛・・・、試しに釣藤散という漢方薬をだしたら、これがなんと服用3日目に効果を表した。「先生、あんなに他の薬が効かなかったのに、ピタッと止まって再発していませんよ」と・・・。著効である。最近、漢方薬の処方を頻回にするようになったが、このように大変喜ばれるか、あるいは「あんなもの全く効かなかったですよ」と嫌味を言われるかのどっちかである。うーむ、ハマれば痛快であるのだがなかなか奥が深い・・。