その他にも結構漢方薬の効能に驚く例もある。中年の女性であるが、快活で活動的な方なのだがいつもひどい発汗に悩ませられているとのこと。手足の冷えはあまりなく、ときおり顔面が紅潮したりのぼせたりする。そして少し脈も速めなのである。これをみたらまず甲状腺機能亢進症を疑わなければならない。ところが急いで採血して甲状腺ホルモンを調べたが正常範囲なのである。その他代謝亢進させるホルモンも精査したほうがいいのであるが、一緒に来た娘さんが「お母さんはいつも大汗かくけど痩せないのよね」というのがひっかかった。代謝を亢進させるホルモン異常ではやせることも多い。患者さんは比較的筋肉量も多く(実証)、少なくとも痩せているという体型ではない(失礼!)。そこで桂枝茯苓丸という薬をだして2週間したら「先生、今までの大汗が小汗程度に減ってきました」ということであった。同時にあった肩と頸の凝りと、のぼせも軽快傾向とのこと。う~ん効く人には効くようだ・・・。もちろんまったく効かない場合も多いが、一旦効くとなると西洋薬にはない効能がある。