店員は「きちんと首に紙テープ巻きました」「今、首から背中をみましたが髪の毛は入ってないようです」とか対応している。こちらは次の順番をまっているので少し焦れてきた。例え少しくらい切れ毛が背中に入ったとしても1000円カットなのだから、そこまで厳しいことを言わなくてもいいのにと自分は思った(実際には毛は入ってもいないようである)。しかしこの男は追撃の手を緩めない。店員も次の客がいるので早めにこのやり取りを終息させるためであろう、やむなく「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪を始めたのである。これは商売をやっていて本当に辛いことである。ここでこの男は引くのかと思ったら、自分の首筋を鏡に映して見ながら「この落とし前はどうつけてくれるんだ」とすごみはじめたのである。風体は「その筋の方」ではなくごく普通の市民である。なんでこんなに憤っているのか分からなかった。<o:p></o:p>