吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

CPAと死亡確認 その1

2014年09月17日 06時02分36秒 | インポート

   何とも重い話であるが一つどうも納得できないことがある。災害現場で被災者が発見された場合、「救助時、心肺停止の状態でありヘリで病院に搬送されましたが死亡が確認されました」という報道がなされることがある。心肺蘇生の市民講習を受けた人であればこの表現や対処方法に「あれ?」と思われるであろう。例えば、居合わせた人や通りがかった人が、心臓停止した人に遭遇した時、なぜすぐ応急手当をする必要があるのか? それは心臓停止してから分単位で救命率が7~10%程度落ちていくからである。心臓停止の原因にもよるが、いずれにせよ心肺蘇生法をおこなわないで10分も経過すればその傷病者の社会復帰はありえないのである。マスメディアの報道では「心肺停止」と「死亡」をわけて用いている。分けてまで表現を変えているのであれば、きちんとその使い分けを知りたいところである。