吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

佐世保同級生殺人事件 その4

2014年09月05日 05時27分04秒 | インポート

 つまり医師が「これから殺人が起こる可能性がありますよ」と重い診断をしても、個人名を伝えなければ殺人の抑止にはつながらない。反社会的行為の抑止よりも個人情報保護を優先したのである。反社会的行為、特に殺人事件などの可能性があるのであれば、それにまさる個人情報保護というものはどう転んでもありえない。一方、もし殺人が起ころうとしている現場に見ず知らずの通行人が通りかかって、これを通報しなかったとしても罪にはならない。しかし今回は「通りがかりの者」ではなく、この加害児童の診察にかかわったという医師なのである。しかも医師というものは市民の健康や生命を守り、公衆衛生の向上・管理指導をおこなうという社会的使命がある。そこで結果的に殺人にまで発展したということになったのであるが、医師であれば「自分はただの通行人でした」という免罪符は通用しないと思われるのであるが。<o:p></o:p>