今年も救命士国家試験が終わった。実はこの救命士をめざす者が使用する標準テキストは昔自分も執筆したことがある。彼らが現場でなしうる内容なので、医師用でもないし看護師用の内容でも不都合になる。なので彼らが現場において消防の法規の範囲内でできる処置内容について書かなければならず、かけ離れた内容や救命士法から逸脱した執筆は不適当なのである。平成3年の9月から救命士が誕生したのであるが、当時数年以上にわたって、救命士法から逸脱した記載や、救急の現場を知らない医師たちによる教科書の執筆でずいぶん教育現場は混乱したものである。いやはや平成4年からしばらくの間、自分は救命士養成所でも教鞭をとっていたので、あの時の執筆者のいいかげんさには困らされたものである。