吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

救命士国家試験解説 その2

2015年03月24日 05時52分00秒 | 日記
 救命士養成所で教鞭をとっていたころの話で、教科書が不適当でもそれに沿って話さなければならない。彼らの行動根拠は業務規程によってなされるのであり、それ以上の話をしてもいけないし、それ以下の話もしてはならない。つまり監督官庁からの通知文をきちんと守ることが業務で第一義とされている公務員そのものの講義が期待されたのである。「先生の質の高い講義も結構ですが、救急隊員は規定の中で動きますので教科書以外のことはちょっと・・・」 現場での講義では教科書から逸脱したことを言ってはならないと半分嫌味で釘を刺された。しかし肝心の教科書がいい加減だったので教える方も苦労した。それから15年してようやく自分にも執筆の機会が回ってきた。そのころには執筆者はようやく救命士法を把握した医師たちに代替わりしており、それ以降の教科書はかなり洗練されたものにかわってきた。