吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

両親の賠償請求棄却(給食の白玉窒息事件) その3

2017年06月09日 06時20分39秒 | 日記
 嚥下障害をもつ障害児の学級であればまだ普段から注意もしているであろう。
 しかし健常児の学級で担任が「あの子はモノをのどに詰まらせるだろうな」と常に目星をつけて見張っているというのはどうなのであろうか? 
 このことが原告のいう注意義務ならクラス生徒全員に窒息の可能性はあるので毎回食事中、常に全員を見張っていなければならないともいえる。
「ゆっくりとよく噛んで食べよう」などという標語や指導は大昔からすでになされている。もうこれだけではダメな時代なのだなと驚いている。
 健常児の学級でも給食時は常に全員を見張りながら、そして特に白玉が出るときは掃除機の吸引がいつでも使えるように教室に配備してスイッチを入れてから白玉を食べさせるということまで考慮しないといけないことになる。

 また異物除去法についてであるが背部叩打でとれない異物がハイムリックをやればとれるというデータはない。ハイムリックではなく背部叩打に終始したのはけしからんという原告の弁護士の争点はピントがずれている。