吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

「私たちが土砂に埋まらないと動かないのか…」目の前に土砂の山 おびえる女性 その3

2024年07月08日 06時28分40秒 | 日記
 つまり排出者責任なのです。それで今までは排出業者が下請けに出したり孫請けに出したりして廃棄物の責任が不明になっても、廃棄物に「名札」が入っていれば排出元に責任を取らせることができるのです。そのため昔、自分が開業時の医療廃棄物講習で聞いた内容を今でも覚えていますが「排出者責任ですので業者に廃棄物を渡しても、きちんと最終処分されているかどうか時々自分の眼で確認しに行ってくださいね」とはっきり言われました。荒唐無稽ですよね。
 自分の出した廃棄物が業者を転々としたとしても、それを探偵か調査員のごとく追跡し最終処分場までいって自分が出した医療ゴミが焼却されるのを見てこいというのですね。この説明したとの職員には呆れかえったが、それだけ「排出者には重い責任がある」ということなのだと感じました。
 それにもかかわらず、今回の土砂廃棄の事件で、今になって「6月から、元請け業者が最終処分まではっきり確認することを義務化するルールができる」などといっています。もちろんこんなルールの遵守など現実味はないでしょうが、この業界では今頃ルールをつくるのかと驚いています。


「私たちが土砂に埋まらないと動かないのか…」目の前に土砂の山 おびえる女性 その2

2024年07月06日 06時17分47秒 | 日記
 まずは驚いたことは土砂などの不法投棄を厳密に取り締まる条例や法律が曖昧なことです。
 一方では、我々医療関係のはなしですが、医療廃棄物では細かく法律で取り締まられています。区で行う無料の廃棄法もありますが、通常は有料ですが業者に収容してもらい最終処分してもらっています。
 以前知って驚いたのですが、有料イコール最終処分をしてもらうことの確約ではないということです。つまり有料で引き取ってもらうことは最終処分の責任も譲渡しているのだと思っていたら、そうではないのです。
 例えば悪徳業者が医療廃棄物を今回の事件のような他人の所有地に廃棄した場合、もしそこで医療廃棄物の中に排出医療機関の身元が分かるようなものが発見されたなら、罰せられるのは廃棄した業者ではなく、排出元の医療機関になるのです。排出者責任ということですね。

「私たちが土砂に埋まらないと動かないのか…」目の前に土砂の山 おびえる女性 その1

2024年07月05日 06時03分32秒 | 日記
5/26(日) 11:01配信 テレ朝NEWS
(福島県西郷村における土砂の不法投棄事件について)
 現役のダンプドライバー。「今は積もうと思えば土砂なんていくらでもある。でも、おろすところがないんです」  この男性ドライバーによると、都心の大規模工事などで大量の土砂が発生しているが、最終処分場は満杯になりつつあり、「どこにも運べない」という。  「でも、お金が欲しい業者は、『処分場にもっていく』とうそをつき、適当なところに捨てて代金だけもらっている」と話す。「自分はそういうことはしたことがない」という。
(不法に)処分しなければ土砂の処分場がない?  改めて国交省にきいてみた。  「全国にどのくらいの処分のキャパシティー(容量)があるか、国は把握できていない」  処分場が足りていないという現状も、国はわかっていないという。これでは、チェックなどできるはずもない。  6月から、元請け業者が最終処分まではっきり確認することを義務化するルールができる。だが、それをどうチェックするのか。国交省は「方法は今後決める」とだけ答えた。結局、あいまいなままだ。
(不法投棄を受けた西郷村の)児山さんや宇都宮市の住民は、(家の前の土砂の山に)身の危険すら感じながら生活している。それを知って、あいまいなルールを続けるのか。

膵臓がんの適切な検査怠ったとして、患者遺族が新潟長岡市の診療所の運営組合提訴へ・新潟地裁 その2

2024年07月04日 06時27分57秒 | 日記
 詳細は不明ですが「必要な検査を怠った」とあります。しかしすい臓がんの診断は難しく、早期発見はかなり困難なことが多いですね。自分の経験でも進行したすい臓がんであった患者さんを何人か知っていますがみなさん腰痛を訴えておられました。しかもすい臓がんはかなり浸潤しないと腰痛を訴えません。しかも中年~高年のかたの腰痛は老化現象によることが多く、看過されやすいです。また糖尿病をお持ちの方は、今回のように膵癌合併しても糖尿病の悪化として治療されることになります。しかも膵癌自体がどれだけ直接的に糖尿病に影響するかはわかりません。果たして救命できる段階で見つけられたかどうかは疑問です。
 おそらく論点は「担当医が耳を傾けず」とあるので患者さん側の心情的な問題から発生した訴訟なのだと思われます。医学水準的には「必要な検査」とありますが何の検査がどの段階で必要だったのかは判断が難しいこともあり、あまり意味のない論点だと思います。結局は裁判所での判断は「注意義務違反」となににでも使える罪名で医療機関を罰するという落としどころを狙っているのでしょう。

膵臓がんの適切な検査怠ったとして、患者遺族が新潟長岡市の診療所の運営組合提訴へ・新潟地裁 その1

2024年07月02日 06時25分23秒 | 日記
2024年5月24日 (金)配信 新潟日報
 膵臓(すいぞう)がんの適切な検査を怠ったことで発見が遅れ、早期治療を受けられなかったとして、2022年1月に死亡した長岡市の男性=当時(69)=の遺族3人が長岡市の診療所を運営する「ながおか医療生活協同組合」(長岡市)を相手取り、約6100万円の損害賠償を求める訴訟を5月中にも新潟地裁に起こすことが5月23日、分かった。
 訴状などによると、男性は2018年に別の医療機関で糖尿病と診断され、19年から組合が運営する診療所に通院。19年春から冬にかけ、体重の大幅な減少や血糖値の増加などがんを疑う症状があったが、精密検査を受けられなかった。20年6月に初めて胃カメラと腹部エコー検査を受けたが、異常なしと診断された。
 男性の体調はその後も悪化し、2021年5月に検査で異常が見つかり、末期の膵臓がんと診断。22年1月に死亡した。
 遺族側は、診療所の担当医が検査で異常を見落とすなどの注意義務違反があり、早期治療や救命の可能性が損なわれたと主張。男性が何度も体調の悪化を訴えたのに担当医が耳を傾けず、必要な検査を受けられなかったとも指摘した。

新型コロナウイルス対応雑感 その7

2024年07月01日 06時36分24秒 | 日記
 保健所では感染者数が多すぎて対応不能となり、その後、医療機関にそれまでの保健所の仕事の一部が丸投げされてきました。
医療機関もその時は発熱患者の診療で現場はごったがえしていました。医師の仕事は医師にしかできません。でもそんな専門性も忖度されることなく事務的な仕事が医師側に割り振られました。あの状況で診療以外の登録作業などの事務仕事が医師に増やされたら文句の一つも出るのは当然です。どんな場面でも手が足りなくなると最後は医師が駆り出されるというのはしょうがないですけど、医師が行わなくてもいいような作業の一部丸投げには閉口しました。
 発熱外来の場合はいまだに一般患者診療とは時間と空間の分離を徹底するよう求められています。でしたら2類感染症のままにしておいてほしいです。
 5類になった現在では疑いのある方を分離することで患者側から「なんで今更隔離? なんでマスクいるの? ばい菌扱いだな」とトラブルも発生しています。ついこの前も「いまさら、そんな藪から棒に検査しますっていわれたって納得しないよ」と言われました。すでに世の中に「コロナ終了」と流布した政府とマスメディアには責任をとってほしいです。忙しさや手間は変わらず、補助がなくなり、一般診療にも皺寄せがある現状をだれか理解してくれているのでしょうか?