K女史は今週から新婚旅行でいない。
机の引き出しにメモを置いておきましたとのメールの通り机の引き出しを開けてみると、この1週間に用意しておいてほしい書類や、もしもお客から電話がきたらこのカレンダーで開いている日を埋めてほしいというK女史のカレンダー、それから所得したばかりのフリーアドレスと、旦那さんの携帯番号が記されてあった。(K女史の携帯は海外では通用しないらしい)
そして、最後に「男の人ばかりで大変だけどがんばってください」と言う内容が書いてあった。
その意味が最初は分かりかねていたが、だんだん分かってきた。
今日の朝のIさんは機嫌が悪い方みたいで、イマイチ話がかみあわない。
「sakeさん、社長の机を片付けてよ。」と言うので「はぁ?」と言うと、「ほら、机の上に昨日のお茶、吸殻もこんなにたまってるでしょ。昨日食べたそばの空パックも足元にあるし。」と言うのだ。
これらは今までK女史が、いつしか片付けていたのだろう。
Iさんは、「あの人はお茶が3日くらいそのままの事があるからね。」と言う。
前の会社も男尊女卑はあったのだが、このように口やかましい人は居なかった。あまりに目に余ると、仕方なく誰かが黙って片付けていたから私はのほほんとしていたのだなぁと懐古する。
そして、足元のダンボールにまたつまづいた。思うように事務所の片付けは進んでいない。昨日、社長が不服そうだったっけ。でも、紙類雑誌類の廃品回収は来週なのだ。それまでどうしてもこの足元のウダウダは片付かないのだ。社長はそれなら駐車場の雨が当たらないところに置いておけ、と言う。で、結局その荷物をほとんど運んだのは私1人。。。。
何だかフッと泣けてきた。もちろん、一番の理由はそれではないのだが。。。。。
ハッ!と隣を見ると、Yさんが固まっていた。
「sakeさん、今泣いてたでしょ?」
「別に何でもないですよ。」
「何があったか話してみなさい。この会社の誰か?」
「まさか!!!こことは一切がっさい何も関係ないですっ!」
「じゃぁ何?家のこと?」
「家も全然関係ありません。」
「じゃぁ何よ?通り魔に遭った?」
「まさか・・・そんな事ないですよ。」
「じゃぁ、ゴウカンされちゃった?」
「そんな事あるわけないじゃん・・・・・でも、そう言う悩みだったらどうします?」
「・・ニンシンしてなきゃねぇ。」
ニ・・・ニンシンしてなきゃいい・・・。
「やっぱYさんもそうなんだ・・・オトコって最低・・・・」
「だから、何があったんですか~?」
「別に・・・ちょっと酔っ払いに絡まれただけ。」
「Hしちゃったんだ。」
「Hなんてしてないですよっ!!」
「ほほぉ・・・いずれにせよそれは謝らせるべきでしょ。」
「覚えてないよ。それにショウコもないし、知らないって言われるもの。」
「それでも謝らせるべきでしょ!アナタがこう言うコトしたって。」
「もういいの。私が黙っていれば済むハナシだから!」
「そうしないと解決しないですね。このまま一生アナタは十字架を背負うようです。」
十字架・・・・それはYさんの好きな最後の決めセリフだった。
私は以前、彼が【罪の十字架】の話をしたことを思い出して、クククと笑った。十字架と言う表現がウケてしまったのだ。
「でも、Yさんもひどいよね、ニンシンしなきゃいいなんて。」
「・・はぁ??ニンシン?アナタ、何言ってるんですか?ワタシは認識と言ったんですよ?」
「認識?」
「妊娠なんて、誰が言ったんですか・・・いったいアナタってまたボケてるんですか~?!」
そして、私はまた爆笑した。
なるほど。ウケる。
もうええわぁ。
私はこれからも素直に正直に生きていくんだ。
笑われようが騙されようがからかわれようが、素直に正直に思うように生きていく。
ずる賢くスマートに生きるより、そっちの方が好きだし私らしいもん。
傷つけるより傷つく方がいいもんね。
机の引き出しにメモを置いておきましたとのメールの通り机の引き出しを開けてみると、この1週間に用意しておいてほしい書類や、もしもお客から電話がきたらこのカレンダーで開いている日を埋めてほしいというK女史のカレンダー、それから所得したばかりのフリーアドレスと、旦那さんの携帯番号が記されてあった。(K女史の携帯は海外では通用しないらしい)
そして、最後に「男の人ばかりで大変だけどがんばってください」と言う内容が書いてあった。
その意味が最初は分かりかねていたが、だんだん分かってきた。
今日の朝のIさんは機嫌が悪い方みたいで、イマイチ話がかみあわない。
「sakeさん、社長の机を片付けてよ。」と言うので「はぁ?」と言うと、「ほら、机の上に昨日のお茶、吸殻もこんなにたまってるでしょ。昨日食べたそばの空パックも足元にあるし。」と言うのだ。
これらは今までK女史が、いつしか片付けていたのだろう。
Iさんは、「あの人はお茶が3日くらいそのままの事があるからね。」と言う。
前の会社も男尊女卑はあったのだが、このように口やかましい人は居なかった。あまりに目に余ると、仕方なく誰かが黙って片付けていたから私はのほほんとしていたのだなぁと懐古する。
そして、足元のダンボールにまたつまづいた。思うように事務所の片付けは進んでいない。昨日、社長が不服そうだったっけ。でも、紙類雑誌類の廃品回収は来週なのだ。それまでどうしてもこの足元のウダウダは片付かないのだ。社長はそれなら駐車場の雨が当たらないところに置いておけ、と言う。で、結局その荷物をほとんど運んだのは私1人。。。。
何だかフッと泣けてきた。もちろん、一番の理由はそれではないのだが。。。。。
ハッ!と隣を見ると、Yさんが固まっていた。
「sakeさん、今泣いてたでしょ?」
「別に何でもないですよ。」
「何があったか話してみなさい。この会社の誰か?」
「まさか!!!こことは一切がっさい何も関係ないですっ!」
「じゃぁ何?家のこと?」
「家も全然関係ありません。」
「じゃぁ何よ?通り魔に遭った?」
「まさか・・・そんな事ないですよ。」
「じゃぁ、ゴウカンされちゃった?」
「そんな事あるわけないじゃん・・・・・でも、そう言う悩みだったらどうします?」
「・・ニンシンしてなきゃねぇ。」
ニ・・・ニンシンしてなきゃいい・・・。
「やっぱYさんもそうなんだ・・・オトコって最低・・・・」
「だから、何があったんですか~?」
「別に・・・ちょっと酔っ払いに絡まれただけ。」
「Hしちゃったんだ。」
「Hなんてしてないですよっ!!」
「ほほぉ・・・いずれにせよそれは謝らせるべきでしょ。」
「覚えてないよ。それにショウコもないし、知らないって言われるもの。」
「それでも謝らせるべきでしょ!アナタがこう言うコトしたって。」
「もういいの。私が黙っていれば済むハナシだから!」
「そうしないと解決しないですね。このまま一生アナタは十字架を背負うようです。」
十字架・・・・それはYさんの好きな最後の決めセリフだった。
私は以前、彼が【罪の十字架】の話をしたことを思い出して、クククと笑った。十字架と言う表現がウケてしまったのだ。
「でも、Yさんもひどいよね、ニンシンしなきゃいいなんて。」
「・・はぁ??ニンシン?アナタ、何言ってるんですか?ワタシは認識と言ったんですよ?」
「認識?」
「妊娠なんて、誰が言ったんですか・・・いったいアナタってまたボケてるんですか~?!」
そして、私はまた爆笑した。
なるほど。ウケる。
もうええわぁ。
私はこれからも素直に正直に生きていくんだ。
笑われようが騙されようがからかわれようが、素直に正直に思うように生きていく。
ずる賢くスマートに生きるより、そっちの方が好きだし私らしいもん。
傷つけるより傷つく方がいいもんね。