きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

暖房を入れあのヤドカリ生活を思い出す

2014-12-09 | 父の記録と母の思い出
今シーズン、昨日初めてエアコンを入れてしまう。


実家は暖房をつけない家であった。
つけるのは早朝だけ。
ガスストーブのエアコンだけが入っており、私はその真ん前でふるえながら着替えるのであった。そしてそんなにブルブルしているのは自分だけで、あとの家族は軒並み平然としていたような印象がある。

他の部屋にはストーブもエアコンもなかった。
でも、母は普通に台所に立っていた。父も普通に洗面所で身支度をして出て行った。
私も妹も学校に行く頃になると、母はサッサとストーブを消していたと思う。そういう家であった。

私一人が寒がりでこたつにうずくまり、或いは布団にうずくまっていた。
勉強も当然布団の中でしていたので、よくそのまま寝ていたものだ。うつぶせで参考書を読みテキストを解き、布団の中で寝たり起きたりしていた。まるでヤドカリのようであった。
唯一ヤドカリのカラから出るのはピアノを弾く時である。ピアノを弾くと寒さを忘れた。(全身運動になっているのだろうか。)あとはカラオケ練習である。当時は妹とカラオケ伴奏と歌う方を交互にしていたので、それで寒さを乗り切ることができた。

そして私は嫁に行き、kekeが生まれてちょっとした頃、実家は建替えることになった。
そしたら、何てことだろう。
あちこちの部屋にエアコンが配置され、年中エアコンをつけてポカポカ暮らしているのである。
ちょっとしたカルチャーショックであった。

私が出て行ってから、父も母も妹も年中エアコンをつけハワイのように暮らしていたようだが、私だけはあのヤドカリ生活が抜けきらない。
暖房をつけることに常に罪悪感がつきまとうのである。


だから我が家はエアコンを入れない。
夏は35度を超えるまで。冬は雪が降る日だけである。
あとはこたつにうずくまっている。

でも、昨日はエアコンを入れてしまった。
もう寒くてかなわん。

それから今年に入ってから、冷たいドリンクが飲めなくなった。
もともとが猫舌なので、熱いお茶が飲めないのだ。だから冬でも氷を入れてガンガン、コールドドリンクを飲んでいた。
(ちなみに実家の両親も、妹も、熱いお茶を飲むことはほとんどなかったと思う。)

でも今年はダメだ。体が受け付けない。
冷たいものが飲めなくて、だけど熱いものも飲みたくないので、熱いお茶または冷たいドリンクを部屋の温度で常温にしてから飲んでいる。おかげでビールもここずっと飲んでいない。

昨日は(このままアルコールをやめちゃおうか)と思い、かなり真剣にそのつもりだった。しかし台所にずっと立っているうちに何か飲まねばやってられんわい、と言う気持になって、自作の梅酒を飲んだ。でも氷は2個しか入れられなかった。寒くて昔のように氷いっぱい入れて注ぐことなどもうできない。だから梅酒はやたら濃かった。

本当に冷えに弱くなった。もともと家族内で一番弱かったのだが、もう冷えることに耐えられない。

だから私はエアコンをつけた。
しばらくすると台所にも温かい風が流れ、しあわせな気分になった。

これからは朝晩暖房を入れよう、そしてささやかな幸せを感じるのだと心に誓いながら、料理がもうできそうなので余熱が残っているうちにサッサとエアコンを切って、kekeに「食事だよ」と声をかけた。(こたつとエアコン両方は要らないから。)