津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

出かけざるばなるまいて

2006-03-02 12:25:14 | 歴史
 西川與助という人がいた。小牧の戦いで大活躍し秀吉から感状を貰っている。 忠興は百石を加増している。綿考輯録に詳しい。今、熊本市立博物館で催されている、「刀剣・その美と肥後の歴史との関わり」展に、この時秀吉から拝領した刀が展示されていると言う。名誉の人西川與助は後、寛文九(1669)年十月陽明学を修めたという理由で追放された。いわゆる陽明学徒追放事件である。記録によると、妙解院(忠利)五十回忌にあたる元禄三(1690)年勘気がとけ、倅弥右衛門が再び召し出されている。與助は豊前で死んだとも伝えられている(先祖附未見)。ちなみに家老を務めた沢村大学は、與助の足軽であった。

 今日の熊本日日新聞の「新生面」は、小牧の戦いから三百年後、西川家十代正範がこの刀を携えて「神風連の乱」に加担二十四歳で亡くなった事を紹介している。武辺の家である。敬意をもって展観しなければならない。
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開かずの箱

2006-03-02 11:14:30 | 徒然
 十年ばかり前、江戸古地図集なるものを購入した。古地図資料出版(株)という会社が古地図10葉を復刻して出したものだ。1葉ずつ丁寧に包装され、紙箱に入れられ、そして桐の箱に納められている。購入した時は多分全部開いてみたのだろうけれど、なんとも大仰な収納状態だから元に戻すのが大変で、その後再び開いた覚えがない。過日池波正太郎の、「江戸切絵図散歩」という文庫本を眺めていて、久し振りに引っ張り出してみた。時代を重ねるたびに、その技術は精密さを加速させている。元禄の頃の「江戸図正方鑑」などはゼンリン並である。開かずの箱も、しばらく蓋を開けて風に当てようと思う。

 私が生まれた、旧小石川区(現文京区目白)東老松町の、昭和21年の地図を東京のS様からお贈りいただいた。戦後間もなくの物のない時代に作られた、貴重な地図である。これとても、現在の地図と照らし合わせてみると、なかなか面白い。地図は刻の息吹を感じさせてくれる。
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