津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

利休鼠-Ⅱ

2006-03-05 23:44:29 | 徒然
 「利休鼠」の話は何処にあったろうと、本をひっくり返していたら、桑田忠親著「茶の心・茶道名言集」にあった。原典は「長闇堂記」の利休の狂歌からきている。
「茶事に招かれた際にも、華美な服装をして行ってはならない。ただ、汚れやすい着物の襟を清潔なものに取りかえて、墨染めの布子か、同じ色の綿入れを着て、出来れば、帯と足袋と扇子だけは新しいものを用意していけ」と言っている。その色が持て囃されて今日に至っている。いささか危険な発言だが桑田氏は、「原色一遍倒の好みは、色彩の上からいって、未開人種の好みである。これを利休好みの洗練さと比べると、まるで野蛮と文明の対照である」としている。そして「(原色好みの若者も)年齢と共に、やがて自国の文化の色彩に目覚めるに違いない」と言い「文化を消化するのも、一生の問題」だと言う。        お説ご尤も
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利休鼠

2006-03-05 15:18:08 | 徒然
 大学で青春を謳歌した若者たちが、茶髪を黒色に戻して整え、濃紺のスーツを誂えて就職という新しい門出に備えている。なんで、皆同じような色のスーツを誂えるのだろうか。利休鼠という色がある。北原白秋作詞の「城ヶ島の雨」という歌に出てくる。

    雨はふるふる城ヶ島の磯に 利休鼠の雨が降る・・・・・・・・・・

 子供の頃はわけもわからず口ずさんでいたが、長ずるに及んで「利休鼠って何?」という事に相成り知ることと成るのである。スーツショップには利休鼠色のスーツもあるのだが、社会人一年生は手を出さないらしい。
 手許にひと頃ベストセラーになった、「大日本インキ化学工業(株)」が発行した、「日本の伝統色」という色見本帳がある。ネーミングされた色265色が色再現されている。この見本帳で利休鼠を見ると、「緑みがかったグレイ」で、利休は葉茶の緑みを形容したと説明している。単色のこの色のスーツはご免蒙りたいが、江戸小紋などの着物であれば、さぞかし粋なことであろう。265色の9割方に日本名で名がついている。これもまた、日本の文化の奥深さを感じさせる。ちなみに「色の三属性による表示」によると利休鼠は「3.0G4.0/1.0」ということに相成る。
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