津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

「鵜の真似」にみる 5 (島原一揆)

2006-03-22 21:32:00 | 歴史
 肥前嶋原一揆蜂起し兇徒近国迄所々乱取り致候よし相聞く 肥後国川尻に細川侯御米蔵有之 天草より程近き故今宵兇徒ども多勢を以て乱取に押渡る由頻りに相聞へ騒動しける 細川家の臣(姓名忘失)川尻奉行器量人にて有し 其夜磯辺に竹を建て其竹に火縄を壱本毎に結び付け置き 所所へ篝を焚きて夜を明しける 兇徒ども此火を見てはや熊本より御人数来りしと思ひ渡りざりし 翌日は熊本より御人数着きければ厳重に固めける 此事徂徠先生記録にも是を褒められたり 誠に此術方に渡りて応変の妙術わき出べし貴べきや
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「鵜の真似」にみる 4 (赤穂事件)

2006-03-22 20:25:16 | 歴史
 義士切腹の朝細川侯にて御馳走人申し候は 何ぞ仰られ置き度き儀も御座候はば御遠慮なく仰せ聞され候様にと申し候処 何れも決して何も申置き候儀毛頭御座無候由申候 内壱人の士拙者申置度儀御座候と申し 其時壱人申候は夫は近来未練千万何を申され候哉と申候処 余の儀にては無し夜討の節拙者刀折候付切伏候仁の刀を奪取り相応相働申し候 然れども手に刀合わぬ故甚だ働き心悪しく御座候 後々拙者働方にぶきと評判も御座候は 此訳御咄伝へ下さるべきと笑ひ申され候由

 内蔵助切腹の朝 茶道小坊主日々付居候付 殊の外兼々愛され候に付其節涙ぐみ居候処 随分殿様へ忠を尽し御両親え孝行尽し わるさをすまいぞあまり悪さをし給ふと幽霊に成て出て喰付ぞと笑ひ申され候由 誠に平気にて有し由

 浅野義士細川公へ御預け残らず切腹仰せ付られける 其後御役人より申上けるは 右場所其外御幕諸品御清〆め成され候様申上ければ 細川公仰せられけるは 夫れは甚だ以て心得違なり 此者どもは古今武士の鏡なりと御意成され候由 誠に士を励まし給ふ金言と云べし有難き事なりと或人物語りなり
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