津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

天地間無用の人物

2006-03-15 22:36:28 | 徒然
 上田久兵衛は体躯大なるひとであったらしい。京都留守居役として、幕末の京都を駆け回り、朝幕融和に走り回った。僅か一年数ヶ月のことである。実学党が声を上げた「肥大なること豚の如くして、天地間無用の人物」と。横井小楠は大変口の悪い人であったと言うから、案外出所はその辺りかも知れない。この「天地間無用の人物」と云う言葉は、旗本成島柳北が、幕府の要職から身をひくに当たって、自らをそう称したらしい。東京情報大学助教授、乾照夫氏の「成島柳北と東京珍聞」に詳しい。久兵衛は笑って相手にしなかったというが、出所を承知していたのかもしれない。流行り言葉であったかも知れない。もしそうであれば、迫力のないお粗末な話である。
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