この原本は吉田家から熊本博物館に寄贈された。平成27年6月学芸員・木山貴満氏によって「資料紹介 吉田如雪の明治一〇年日記について」という、熊本博物館報告がなされた。
明治10年2月17日~10月20日に至る非常に簡明な内容ではあるが、西南戦争の生々しい現実が良くあらわされている。
そんな中10月1日の記事に次のようにあった。高祖父上田休(久兵衛)の処刑についてである。
十月一日 陰
上田休平昨日縣庁ニテ斬罪ニ処セラル
制札ノ大意、此者朝憲ヲ憚ラス西郷
隆盛、池辺吉十郎ノ逆意ヲ助ケ、榊原
何某其外四名ヲ斬殺スル科ニヨリ
斬罪申付ル者也
このほかに記述はない。面識はなかったかと感じられる。ただこの時期の日常のありようを、平々と記している。
またたく間に人口に膾炙したことと思われるが、この後遺族には苦労の日々が訪れることになる。