津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■部屋住み

2015-09-05 09:28:51 | 徒然

 部屋住みとは、「家督相続前の嫡男。また、次男以下で分家・独立をせず、親または兄の家にとどまっている者」と定義されている。
二男は嫡男にもしものことがあった時の跡継と云うことにあろうが、三男以下はこれは養子口を探すほかない。僧籍に入るという例も多い。
養子口もないと結婚も出来ず、当主が代替わりするといわゆる「やっかい叔父」となって、ひっそりと暮らさなければならない。

建築学上は「部屋=Room」なのだが、民俗学上では柳田国男は「母屋とは別に建てられた小屋」をいうとしている。
のちに障子やふすまといったもので仕切られたものを「部屋」と呼ぶようになったとする。
これらの事から別棟の小屋や母屋の小部屋にすむ男どもを「部屋住みと呼ぶ」ようになったと柳田は説明している。

「曹司」という言葉があるが、これも上記の「部屋」に通じているのだそうな。
      ・ 宮中や官庁内に設けられた女官・官吏などの部屋。
      ・ 貴族の邸内に部屋を与えられて仕えること。また、その人。
      ・ 貴族の邸内に設けられた、子弟の部屋。また、そこにすむ子弟。 
部屋住み同様曹司住みという言葉があるのだそうだが、曹司には御がついて貴人あつかいにされるが、部屋住みはどうも分が悪い。
武家と宮中・貴族との違いである。

先祖探しのお手伝いをしていると、こういった二三男の家系であろうと思われるお宅によく出くわす。
なんとか先祖を遡って系図を作りたいと仰るが、本家筋になかなか行き届かないケースが多い。
然し先祖を思うお気持ちを察すると切なくさえ思える。「部屋住み家系がんばれ」とエールを送っている。 

コメント
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