津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■歌を唄いました・・

2021-10-16 18:13:04 | 熊本史談会

 今日の史談会は元・熊本ジェーンズ邸館長の黒田孔太郎氏の「熊本の明治維新・熊本洋学校教師ジェーンズの業績」をお聞きした。
誠に有意義なお話で90分の講演では少々物足りなさを感じた。又、再度のお話を伺いたいというのが出席者ほとんどの思いであったろう。
何故、この偉大な人物・ジェーンズがが全国区にならないのか、まずは熊本人の意識改革が必要だと感じたことである。

処で講師の黒田先生は元・小学校の校長先生、大学では国語を選考されたと理解していたが、熊本県音楽教育研究会会長なども務められた方で、熊本で数少ないファゴットの奏者でもある。
講演の途中では一息入れましょうと、お持ちになったリコーダーで人吉の著名な犬童球渓の作詞による「旅愁」を演奏され、導かれるままに出席者は思いがけぬ合唱をした事であった。

御仕事柄とはいえ、マイクなしの中良くとおる声でお話しいただき、18頁に及ぶ資料も頂戴して大いに満足した一日であった。感謝・・

             

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■久しぶりのヤフオク落札

2021-10-16 16:59:55 | オークション

      

 昨日のブログで触れた「幕藩制確立期の諸問題」は手元に持っているわけではない。
随分以前この本の所在を知り「日本に古本屋」で探したりしていたが、タイミングが悪かったのか手に入らずにいた。
昨日たまたまその中の朝尾直弘氏の論考を引用して、ふと探してみる気になったが見つからない。
Yahooの検索欄に何気に打ち込んでみたら、なんとオークションに安価で出品されていた。即決落札した。
外箱は御覧の通りくたびれている。昭和35年発刊の本だからこれは仕方がない。たとえ朱線が引かれていても、書き込みがあってもあまり気にしない。
論考が読めればそれで良し、これがすべてである。

慶長・元和そして熊本入国までの寛永前期の史料はなかなか見当たらない。
これでいくつか「小倉細川藩年表稿」に書き込みが出来そうに思える。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■川田順著「幽齋大居士」一六、小田原陣(續)

2021-10-16 06:46:07 | 書籍・読書

     一六、小田原陣(續)

 東國陣道之記によれば、幽齋が小田原に著いたのは三月中旬で、戰ひは既に始まつ
てゐた。箱根山中の遭遇戰で田邊の侍一柳某が討死したことを郷里の遺族へ知らせて
やると、一如院長老これを耳にしたと見えて、早速陣中へ弔文を寄せ、その末に一首
の和歌を書いてよこした。
 あはれなり一つ柳のめも春にもえ出でにける野べの煙は
 弔文を讀み反して幽齋は笑つた。
「檀那藝を戒めながら、おのれもいつの間にか坊主藝をやりおる。さうして偈を考へ
るよりも歌は気樂ぢや、とぬかしをる。禪坊主といふものは、昔も今も喰へぬしろも
のだ。」
 かやうに一如院を批評したが、返歌せぬは敵にうしろを見せたも同然ゆゑ、
 いと毛なき具足をかけて鐵砲の玉にもぬける一つ柳か
 と俳諧歌めいたものを作り、返書の中にしたためながら、
「坊主には、この本歌取りはわかるまい。それとも。古今集ぐらゐは覗いてゐて、遍
照光明とでも笑ひくさるか。」
 韮山は敵の支城で、要害頗る堅固、しかも勇將のほまれ高き北條氏規が精兵七千を
以つて死守したのだから、寄手も攻めあぐんだ。寄手のなかには蒲生氏郷、福島正則
それから幽齋父子も加はつてゐた、早耳の一如院、又これを聞き込み、
 山の名のにらみあひたる攻め衆よにんにくひかせてもたべ
 と揶揄して來た。幽齋むつとして、
「いかに坊主でも、ちと口が過ぎるわい。戰争を何と心得てゐる。人を茶にしたこの
狂歌、秀吉公のおめにかけたならば、坊主ッ首はとんでしまふぞ。幽齋は友達冥加、
秀吉公へは隠してつかはす。いのち冥加の坊主めが。」
 腹を立てたものの、可笑しくもなつて來た。にら・にんにくの縁語の使用など、な
かなか味なところもある。どれ、この度も返歌してつかはそう。
 ひかせえずもみ落とすべき韮山は手をすりこ木の音のみぞする
 實際寄手は手古摺つたのであつた。數箇月包圍して陥落せず、氏規が小田原城に引
揚るまで、眼にくやし涙をためてにらんでいるばかりであつた。尤も、それだから氏
郷や幽齋が弱かつたといふことにはならぬ。秀吉が例の鷹揚な戰法で、徒らに味方を
殺すまいため、遠巻を命じたからでもあつた。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする