長いことこの「鹿嶋春平太チャーチ」の更新が滞ってきた。怠けていたわけではない。あるテーマ、誰も手がけていない課題に取り組み、見えてきたものを文章にする試みを続けてきた。
だが、出来たと思うとまもなく不備がみつかり、またやり直すことを繰り返しなかなかゴールに至れない。そこでもう、完成してから連載を始めるのを諦めることにした。冒頭から出来たものをアップすることにした。
題名は『鬱を打破する聖書の論理』。鬱心理については、これまでも書いてきた。これまでの文章と重複するところも出るかも知れない。途中でまた不備が見つかったり、掲載に値するものが無くなって、更新停止になるかも知れない。が、とにかく始めることにした。
<加藤和彦の死>
年配の人ならフォーククルセダーズというフォークソングのグループを覚えているだろう。「帰ってきた酔っ払い」が大ヒットし、加藤和彦、北山修、はしだのりひこ、の三人で1年間テレビなどマスメディアに出ずっぱりだった。しかも一年たったらさっさと解散し、その後の音楽グループ解散の走りとなった。
その後、はしだは「はしだのりひことシューベルツ」という新グループを結成して歌手を続けた。北山は京都府立医大の学生にもどり、大学院卒業後精神科のクリニックを東京青山で開業したが、あるとき九州大学にスカウトされて医学部の教育研究者になった。加藤は作曲を中心とした仕事を続けた。
そうしているうちに加藤はトヨタ自動車のコロナという車のCMに出演することになった。CMは、彼をメインキャラクターとして合計五人が登場するもので、他のメンバーは松山猛(エッセイスト)、秋山育(イラストレーター)、ジミー・ネルソン(雑誌編集者)それに筆者(肥田日出生・・・本名)であった。
クルマのブランドは、新モデルで4年間続け、4年たつとモデルチェンジしてまた新しいモデルに衣替えするというサイクルで展開する。そんなわけで、筆者は加藤とも4年間仕事での付き合いが続き、それを契機にときたま交信する知り合いになった。
奥さんはヒットメーカー作詞家の安井かずみで、彼は彼女の書いた詞に曲を付けたり、ミュージカルや歌舞伎の作曲をしたりしていた。才能豊かで、振る舞いも軽やか、世の中スイスイと楽しんで生きていくと行った感の、人もうらやむ壮年者だった。
その彼が後にうつ病で苦しみ始めた。九大の精神科教授になっていた北山も、彼を救うことが出来なかった。加藤は自死した。筆者は衝撃を受け、鬱という心理がもたらす苦しみに得体の知れないものを感じ、以来それを考え続けた。
そして最近また、近しい人がうつ病によるって自死するという悲劇に遭遇した。ここに至って、筆者は鬱心理に関して考究してきたものを文字にせねば、という強い衝動に駆られた。
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うつ病に関しては、根本的な誤解が医学界に蔓延している。
精神医学者は科学の認識論を表皮的にうけとって、鬱心理の真因を見逃している。
見逃しているだけでなく、的外れな薬剤治療を施すことによって、多くの人をその犠牲にしている。
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