Sightsong

自縄自縛日記

ミッシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm

2007-05-30 21:32:41 | アヴァンギャルド・ジャズ
1999年の初来日はいろいろあって目撃できなかった、ミッシェル・ドネダ
今回はもう4回目の来日だったそうだ。

ドネダを観るのも、入谷の「なってるハウス」に行くのも初めてだ。2007年5月22日、ツアーの最終日。

ドネダはソプラノサックス1本で勝負。ソプラノ「らしい」音が発せられることも、もちろん何かのクリシェのようなメロディが奏でられることもなかった。鳥のような声、風の音、痙攣、咆哮、彷徨。ただ、あえて音数を多くしたという、齋藤徹のベースともども、1時間の長時間にわたるインプロヴィゼーションはまったく飽きることがなかった。

やはりこの音楽は、本人の存在(目の前に生きているということ)、挙動、振る舞いがあってこそ、さらに刺激的だと思った。帰宅してから改めてCDを聴くと、親しみがわいた。とっつきにくいようでいて人間的な音楽である。

カメラはライカM3にペンタックス唯一のライカマウントレンズ、Pentax-L 43mm/f1.9 Specialを付けた。やや明るかったので、ISO1600相当でf2、1/60で撮ることができた。しかし、何故だか「団体さん」が入って後ろのバーカウンター前からしか聴くことができなかったので、90mmくらいでもよかったかもしれない。このレンズでいつも感じるのは「中庸」、そして「上品さ」であり、好きなのだが、インパクトに欠ける気もする。


ミッシェル・ドネダ+齋藤徹 Leica M3、Pentax-L 43mm/f1.9 Special、Tri-X(+2増感)、Gekko 2号


ミッシェル・ドネダ+齋藤徹 マウスピースを外して吹いた! Leica M3、Pentax-L 43mm/f1.9 Special、Tri-X(+2増感)、Gekko 2号


『クレフの解剖学』(ソロ、Potlatch)


『Temps Couche』(琴の沢井一恵、ヴォイスのベニャ・アチアリとのトリオ、Victo)

『基地はいらない、どこにも』上映会

2007-05-30 08:24:32 | 沖縄
『基地はいらない、どこにも』上映会(2007/5/29、文京シビックセンター)に行った。参加者20名くらい。
これを作った小林アツシさんが、上映後、米軍再編や日本の基地についての現状を報告された。

基地近くの住民の方々、反対の行動を起こしている方々、そして先日亡くなった辺野古の金城祐治さんの映像を目の当たりにすると、どうしても胸が痛くなる。そして、実態に基づくルポであり説得力がある。

米軍再編特措法が先日成立してしまい、ますます自治体、そして間接的には住民の「頬を札束で叩く」ことがエスカレートしている。映像には、辺野古のみならず、岩国、座間、相模原、鹿屋などで、如何に高圧的・暴力的なことが行われ、如何に住民や地方政治の中に歪みが生じさせられたかが記録されている。

岩国での基地に関する住民投票は、反対多数という結果となる。しかし、反対票を投じつつもある住民女性が言った言葉が気になった。「政府の決めたことだから、いつまでも嫌とは言ってられない。」

住民として、また他の地域のことも考えた「良心」ある国民として、自らの意思を表明することこそが、「放っておくとろくなことをしない」国家を良い方向に導く手段であろうと思う。しかし、実際には、まだまだ「お上」のことが絶対であり、「偏った」意見をタブー視する傾向はあるのだろう。

その点で、鹿屋の女子高生が皆の前で言った、「鹿屋だけでなく沖縄のことも考える」心のあり方には、とても共感させられた。ここの部分だけでも、多くの人に見てもらいたいと思った。

小林アツシさんは、以下の点も指摘された。

●辺野古の「事前調査」は明らかに環境アセス法違反であること
●重工メーカーを中心に軍需工場化が進んでいること
●「仮想敵国」を想定するからこそ軍備が際限なく進んでいること
●日本の防衛は二次的なもので、米軍の戦争協力が主目的であること
●辺野古は「普天間代替」ではなく、もともと米軍の計画にあったこと
 (つまり普天間が戻るためには辺野古建設が必要という論理は嘘)
●沖縄の選挙で自民党が勝ったからといって、基地はもう争点ではないこと
●辺野古への自衛隊派遣が本土で報道されないこと


やはり我々の考える争点、「軍がなければ北朝鮮や中国が攻めてくるのでは?」「米軍に協力しないと今後守ってくれないのでは」ということが本質ではなく、小林アツシさんの言う「基地は激しく反対しなければ拡大し拡散し機能強化する」がポイントなのだろう。

上映会のあと、近くの居酒屋で小林アツシさんを囲む。他の参加者の方も含め、実態と経験に基づく口コミこそが重要だと思う。

→ 小林アツシさんのブログ(この映像のDVDも廉価に購入できる)