きのう、久しぶりに8ミリカメラをまわした。赤ん坊の記録のためだ。
もともと、劇映画を撮ろうなんて気持ちはさらさらなく、最初の子どもをフィルムに記録するためにそろえたものだ。「cine vis」というシネカメラ専門店が、当時、青山のレンタルスペースに時々カメラを出店していたので、8ミリのことを色々教えてもらったのだ。もちろん、そのときも、今も、8ミリを使おうなどという人はほとんどいない。
フィルムという媒体への偏愛は置いておいても、いまでも、8ミリのメリットは「長時間撮れない」ことだと思っている。気持ちを込めて撮り、気持ちを込めて観るということだ。1カートリッジでは3分程度しか撮ることができないし、音も録音できない。
日本で主流を占めたシングル8でなく、海外でスタンダードだったスーパー8を選んだのは、カメラとしての出来が相当違うこと(例外はある)、それから、コダクロームを使いたいこと、の2点だった。実際にコダクロームの色や質感は素晴らしく、どんなにシャープになってもヴィデオの追随を許さない、というか別物である。しかし、そのコダクロームも、35ミリ版を前に姿を消してしまった。カラーフィルムとして残るエクタクロームは、あくまで低光量・室内向けであり、映像としては劣るものだった。これも、最近新型に変わったから、期待している。
カメラは、キヤノンが1967年に発売したオートズーム814を使っている。金属とガラスの塊だから重いが、やはり最初の頃に気合を入れて作った製品なので出来が良い。その後のプラスチック製のキヤノン514XL-Sを使ったこともあるが、作りも、レンズの描写もまるで違う。(キヤノンの製品は、今になっても、高級機と普及機の力の入れ具合が確信犯的に異なっているといわれる。)
さて、旧型のエクタクローム(50フィート)を2本撮ったので、錦糸町の「レトロ通販」に送って現像してもらう必要がある。以前は江古田の「育英社」でのみ現像していたが、設備をすべてレトロ通販に譲ったとのことだ。コダクロームや白黒フィルムの場合、米国やスイスに送ってもらわなければならないので、まだマシだ。
待つ間に、2年以上放っておいた映写機をメンテしなければ・・・。
キヤノン814と新旧エクタクローム(手前が新型)
キヤノン814はつくりがいい
記念に取ってあるコダクロームの箱、ロシア製白黒フィルム(ひどかった)、これから使う白黒のトライX(旧型)