Sightsong

自縄自縛日記

ついに辺野古の似非アセスにおいて評価書強行提出か(怒)

2011-10-17 23:33:49 | 沖縄

名護市辺野古において、国家自らが文字通り人権を蹂躙し、なりふり構わず進めてきた米海兵隊の新基地建設。メディアは国家と結託し、普天間移設というストーリーを執拗に広め続けた。日本政府は抵抗する住民に対し、あろうことか国軍(海上自衛隊)を差し向けた(2007年)。

この国家意志は民主党政権になっても変わりはしない。鳩山政権は、これを覆そうと試みたものの、結局は完全に屈服した。菅政権は、面倒な問題として無視した。そして野田新政権は、自民党時代の似非環境アセスメントを踏襲しようとしている。あまりにも愚かな為政者である(怒)。

防衛相、普天間アセス評価書「年内に提出準備」
来県中の一川保夫防衛相は17日午前、県庁で仲井真弘多知事と会談した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価(アセスメント)の最終段階である評価書について、防衛相は「年内に提出の準備を進めている」と正式に表明した。 具体的な提出時期は県側と調整の余地を残したが、地元意見を踏まえた評価書の補正を含め、来春を目標にアセス手続きを完了させる政府の方向性を明確にした。
(沖縄タイムス、2011/10/17)

これが何故ダメか。「方法書」以前に事前調査を行い、それを「方法書」に基づき行うべき現地調査の成果として組み込み、欠陥だらけの「方法書」と「準備書」を通過させる、という環境アセスメント法破りを、国家自らが行っているからである。もちろん、本来はオスプレイ配備をはじめとする「後出しジャンケン」など認められないのであり、「方法書」の作成にたち戻らなければならない。「評価書」を出すなど論外であり、早々に撤回しなければ、彼らは歴史上に汚点として名を残すことだろう。


辺野古の環境アセスのフロー

【追記】
なお、最終評価書の公告後、政府は沖縄県知事に埋立を申請できるが、知事が許可しなければ着工できない(公有水面埋立法)。『東京新聞』(2011/10/18)では、その場合に特措法を制定して強制着工する可能性があることを示唆している。過去にその危険性が指摘されていたことであり、その経緯は、由井晶子『沖縄 アリは象に挑む』に詳しい(>> リンク)。

●参照
由井晶子『沖縄 アリは象に挑む』(アセス後に県が埋め立て許可を出さない場合の特措法の危険性について指摘)
原科幸彦『環境アセスメントとは何か』
二度目の辺野古
高江・辺野古訪問記(2) 辺野古、ジュゴンの見える丘
名古屋COP10&アブダビ・ジュゴン国際会議報告会
ジュゴンの棲む辺野古に基地がつくられる 環境アセスへの意見(4)