フレディ・ハバード『Without a Song: Live in Europe 1969』(Blue Note、1969年)
Freddie Hubbard (tp)
Roland Hanna (p)
Ron Carter (b)
Louis Hayes (ds)
たまにハバードのラッパを聴くのはいいものだ。やっぱり、偉大な個性だったのだなということが明らかにわかる。
「溌剌」という言葉を調べると、「魚が跳びはねるさま」という意味もある。まさに旬のハバードが、休む間もなく水上で跳びはねている。これならば、「キレがある」という常套句を使っても文句は出ないだろう。
もっとも、わたしの目当てはドラムスのルイ・ヘイズ。この人は風神なのである。風とアラシを巻き起こしているからといって、ジャズ界のトマソン=人間扇風機ことラルフ・ピーターソンとはわけがちがう。ヘイズがリーダーとなって、ハバードやジョー・ヘンダーソンらをメンバーにした「Jazz Communicators」が活動したのは、60年代後半だという。記録が残されていないことが残念。
●参照
ルイ・ヘイズ『Return of the Jazz Communicators』
マルグリュー・ミラー逝去、チャーネット・モフェット『Acoustic Trio』を聴く
スピーカーのケーブルを新調した(ルイ・ヘイズ『The Real Thing』)