ソニー・シャーロック『Ask the Ages』(Axiom、1991年)。ジャケットの表裏を見ただけではわからないが、なかなか豪華なカルテットなのだ。
Sonny Sharrock (g)
Pharoah Sanders (ts, ss)
Elvin Jones (ds)
Charnette Moffett (b)
1曲目からファラオ・サンダース節満開である。というか、いつもの「ぎょべー!ぎゃー!」という「叫びながら吹き」。ええ、いきなり何でしたっけ。
90年代初頭といえば、ファラオが『何やらラヴ』とか『愛の何やら』とかいった、軟弱コルトレーンの情けないコピー商売に乗っかっていたころだ。わたしは脱力しまくって、もうファラオなんて聴いてもしかたがないと勝手に見限っていた。こういうことは早く言ってほしかった。実は、テレビ放送されないヘビー級タイトルマッチでは、朝顔から唾を飛ばしまくっていたわけである。
もっとも、ヘビー級タイトルマッチの主役は、リーダーでもファラオでもなく、エルヴィン・ジョーンズである。牛刀か斧のようなものを、軽々と振り回す。しかもときには繊細に。エルヴィンが叩くだけで、時空間が、身体全体をゆっくりと揺らすような大きなノリに支配される。いやあ、凄い。
●参照
ファラオ・サンダースの映像『Live in San Francisco』
エルヴィン・ジョーンズ+田中武久『When I was at Aso-Mountain』
エルヴィン・ジョーンズ(1)
エルヴィン・ジョーンズ(2)
『Stan Getz & Bill Evans』(エルヴィン・ジョーンズ参加)
ロヴァ・サクソフォン・カルテットとジョン・コルトレーンの『Ascension』(エルヴィン・ジョーンズ参加)
藤岡靖洋『コルトレーン』、ジョン・コルトレーン『Ascension』(エルヴィン・ジョーンズ参加)
マッコイ・タイナーのサックス・カルテット(エルヴィン・ジョーンズ参加)
ベキ・ムセレク『Beauty of Sunrise』(エルヴィン・ジョーンズ参加)
ソニー・シモンズ(エルヴィン・ジョーンズ参加)
チコ・フリーマン『Elvin』
チコ・フリーマンの16年(セシル・マクビー参加)
ソニー・フォーチュン『In the Spirit of John Coltrane』