オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス+スティーヴ・ベレスフォード『Check for Monsters』(EMANEM、2008年)を聴く。
Okkyung Lee (cello)
Peter Evans (piccolo tp, tp)
Steve Beresford (p)
聴きながらもっとも印象に刻まれるのは、チェロとトランペットとの親和性、近さのようなものだ。リーのチェロとエヴァンスのトランペットとは、文字通り擦音を発しつつ、擦れながら並走し、抜きつ抜かれつしている。エヴァンスの循環呼吸への追随もリーにとってはたやすい。あるいはトランペットやチェロの破裂音によって、一方がもう一方を震わせたりもする。
ここまで親密であれば、ベレスフォードのピアノによる干渉がなかったら、どのような演奏になっていたのだろう。隘路に入り込んで出口が見つからなかったか、そのためにさらに親密な演奏になっていたか。
しかし、もう少し沈んだところとの往還があって欲しかったと思うのだった。いかに翳りがあっても、これは陽の記録である(NYのルーレットやフィラデルフィアでのライヴ)。
●オッキュン・リー
オッキュン・リー+ビル・オーカット『Live at Cafe Oto』(2015年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)
アクセル・ドゥナー+オッキュン・リー+アキム・カウフマン『Precipitates』(2011、13年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
オッキュン・リーのTzadik盤2枚(2005、11年)
●ピーター・エヴァンス
Pulverize the Sound@The Stone(2015年)
Rocket Science変形版@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー US Electro-Acoustic Ensemble@The Stone(2015年)
トラヴィス・ラプランテ+ピーター・エヴァンス『Secret Meeting』(2015年)
ブランカート+エヴァンス+ジェンセン+ペック『The Gauntlet of Mehen』(2015年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)
MOPDtK『Blue』(2014年)
チャン+エヴァンス+ブランカート+ウォルター『CRYPTOCRYSTALLINE』、『Pulverize the Sound』(2013、15年)
ピーター・エヴァンス『Destiation: Void』(2013年)
『Rocket Science』(2012年)
MOPDtK『(live)』(2012年)
ピエロ・ビットロ・ボン(Lacus Amoenus)『The Sauna Session』(2012年)
ピーター・エヴァンス+サム・プルータ+ジム・アルティエリ『sum and difference』(2011年)
ピーター・エヴァンス『Ghosts』(2011年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
ピーター・エヴァンス『Live in Lisbon』(2009年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Mechanical Malfunction』(2012年)
MOPDtK『The Coimbra Concert』(2010年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Electric Fruit』(2009年)
MOPDtK『Forty Fort』(2008-09年)