この9月にニューヨークでケヴィン・シェイとハコからハコへ一緒に歩いていったことがあって、その間にTalibam!やMostly Other People Do the Killing(MOPDtK)のことなんかを訊いていると、かれとメアリー・ハルヴァーソンとによるユニット「PEOPLE」の話になった。いや聴いたことがないと言うと、そのあと、MOPDtKのライヴのときに全3枚を持ってきて贈ってくれた。
■ 『People』(I And Ear、-2005年)
Kevin Shea (ds, vo)
Mary Halvorson (g, vo)
真っ赤な半透明のヴァイナル。メアリーの情緒不安定な歌声がひたすらに目立っている。
■ 『Misbegotten Man』(I And Ear、-2007年)
Kevin Shea (ds, vo)
Mary Halvorson (g, vo)
この第2作だけCDで、手持ちのヴァイナルがもう無いのかなと思っていたのだが、実はCDのみリリースされたのだった。
変態ロックはさらに変態臭を増し、メアリーの声もギターも歪みまくりケヴィンのドラムスは不定形。うおお。
■ 『3 X A Woman: The Misplaced Files』(Telegraph Harp、-2014年)
Kevin Shea (ds, vo)
Mary Halvorson (g, vo)
Kyle Forester (b, g, vo)
Peter Evans (tp) (1, 2, 4 and 6)
Sam Kulik (tb, bass tb) (1, 2, 4 and 6)
Dan Peck (tuba) (1, 2, 4 and 6)
と思っていたら、またさらなる変態的進化。
曲によりピーター・エヴァンスのアレンジによるホーンセクションが入り、メアリーの歪んだサウンドとガーリーな歌声と奇妙にマッチして、異常に快感を覚える。なんというコンセプトなのか、ケヴィン・シェイもカイル・フォレスターも女装した写真が内袋を飾り、かれらの声も性差を越境。
3枚の中ではこれがもっとも好きになった。
●メアリー・ハルヴァーソン
トム・レイニー・トリオ@The Jazz Gallery(2017年)
トマ・フジワラ『Triple Double』(2017年)
メアリー・ハルヴァーソン『Away With You』(2015年)
イングリッド・ラブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone(2014年)
『Illegal Crowns』(2014年)
トマ・フジワラ+ベン・ゴールドバーグ+メアリー・ハルヴァーソン『The Out Louds』(2014年)
メアリー・ハルヴァーソン『Meltframe』(2014年)
アンソニー・ブラクストン『Ao Vivo Jazz Na Fabrica』(2014年)
イングリッド・ラブロック(Anti-House)『Roulette of the Cradle』(2014年)
『Plymouth』(2014年)
トム・レイニー『Hotel Grief』(2013年)
チェス・スミス『International Hoohah』(2012年)
イングリッド・ラブロック(Anti-House)『Strong Place』(2012年)
イングリッド・ラブロック『Zurich Concert』(2011年)
メアリー・ハルヴァーソン『Thumbscrew』(2013年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Mechanical Malfunction』(2012年)
ステファン・クランプ+メアリー・ハルヴァーソン『Super Eight』(2011年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Electric Fruit』(2009年)
アンソニー・ブラクストン『Trio (Victoriaville) 2007』、『Quartet (Mestre) 2008』(2007、08年)
●ケヴィン・シェイ
MOPDtK@Cornelia Street Cafe(2017年)
Pulverize the Sound、ケヴィン・シェイ+ルーカス・ブロード@Trans-Pecos(2017年)
Bushwick improvised Music series @ Bushwick Public House(2017年)
Talibam!『Endgame of the Anthropocene』『Hard Vibe』(JazzTokyo)(2017年)
ヨニ・クレッツマー『Five』、+アジェミアン+シェイ『Until Your Throat Is Dry』(JazzTokyo)(2015-16年)
クリス・ピッツィオコス『Gordian Twine』(2015年)
MOPDtK『Blue』(2014年)
MOPDtK『(live)』(2012年)
MOPDtK『The Coimbra Concert』(2010年)
ピーター・エヴァンス『Live in Lisbon』(2009年)
MOPDtK『Forty Fort』(2008-09年)