Sightsong

自縄自縛日記

ジョアン・レンカストレ(コミュニオン3)『Movements in Freedom』

2017-12-21 07:38:20 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジョアン・レンカストレ(コミュニオン3)『Movements in Freedom』(clean feed、2017年)を聴く。

João Lencastre (ds)
Jacob Sacks (p)
Eivind Opsvik (b)

オーネット・コールマンの「Street Woman」からはじまるピアノトリオのアルバム。とはいえオーネットのような天然ブルース感はない。

どちらかと言えば知的に遊んでいるような感覚で、ジェイコブ・サックスのピアノは内部奏法や特定の音域しか使わない時間など野心的なのだが、上品すぎてちょっと物足りない。アイヴィン・オプスヴィークはここではさほど自分のカラーを押し出していない。

聴きどころはレンカストレのドラムスで、ビートから自由に外れて横方向に広がる不定形ぶりはラシッド・アリも思わせる。

●ジェイコブ・サックス
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas V』(JazzTokyo)
(2016年)
デイヴィッド・ビニー『The Time Verses』(2016年)
スペラッツァ+カマグチ+サックス『Play Dameron』(2015年)
アイヴィン・オプスヴィーク Overseas@Seeds(2015年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas IV』(2011年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas III』(2007年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas II』(2004年)

●アイヴィン・オプスヴィーク
ブランドン・シーブルック『Die Trommel Fatale』(JazzTokyo)(-2017年)
デイヴィッド・ビニー『The Time Verses』(2016年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas V』(JazzTokyo)(2016年)
アイヴィン・オプスヴィーク Overseas@Seeds(2015年)
トニー・マラビー『Incantations』(2015年)
ネイト・ウーリー『(Dance to) The Early Music』(2015年)
イングリッド・ラブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone(2014年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas IV』(2011年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)
トニー・マラビー『Paloma Recio』(2008年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas III』(2007年)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』(2007、12年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas II』(2004年)


ルイ・ヘイズ@Cotton Club

2017-12-21 00:12:20 | アヴァンギャルド・ジャズ

丸の内のコットンクラブで、待望の再来日ルイ・ヘイズ(2017/12/19、2nd)。

Abraham Burton (ts)
Steve Nelson (vib)
David Bryant (p)
Dezron Douglas (b)
Louis Hayes (ds) 

2015年の来日メンバーと同じであり、また、最新作『Serenade for Horace』からトランペットのジョシュ・エヴァンスが欠席の形(残念!)。とはいえとても嬉しいのだ。

曲は、デイヴィッド・ブライアントのオリジナル、ホレス・シルヴァーの曲。そして「Don't Explain」においては、ヘイズのブラシが静かにしゅばるばっと舞い上がってきて得も言われぬ感動にとらわれた。ヘイズは聴こえるか聴こえないかくらいの音にもたいへんな存在感がある。もちろん、かれならではの嵐のようなシンバルワークも、それが勢いにのってきてバスドラムと一緒に巻き起こす暴風雨も、それはもう見事であると同時に、ヘイズにしか出せない味わいとなっている。

今回もエイブラハム・バートンは熱かったが、余裕もあった。ブライアントのリズムを微妙につっかかるように変化させるプレイも良いし、それゆえに、ピアノとヴァイブとが一緒に混ざり合わず、異なる層を形成した。ネルソンのヴァイブは、たとえばミルト・ジャクソンの丸くヴェルヴェットのような音色とは対極にあり、エッジが四角く、ユーモラスでもあった。

テナーのレイモンド・マクモーリンは翌日のショウを観るんだと言っていたので、また感想を聞くのが楽しみである。ブライアントはかれともしばしば共演しており、終わった後に話すと、今度の来日は来年の7月あたりかなと言った(9月にNYのスモールズでは1-2月くらいにと口にしていたが、それがヘイズとの共演で前倒しになった)。真面目で彩りがあって、実にいいピアニストである。

ご一緒したライターの小峰さんとTOKIAの酒場で楽しく呑んで帰った。

●ルイ・ヘイズ
ルイ・ヘイズ『Serenade for Horace』(-2017年)
ルイ・ヘイズ@COTTON CLUB(2015年)
ルイ・ヘイズ『Return of the Jazz Communicators』(2013年)
ジャズ・インコーポレイテッド『Live at Smalls』(2010年)
ルイ・ヘイズ『Dreamin' of Cannonball』(2001年)
ルイ・ヘイズ『The Real Thing』(1977年)
フレディ・ハバード『Without a Song: Live in Europe 1969』(1969年)

●エイブラハム・バートン
エイブラハム・バートン・カルテットとアフターアワーズ・ジャムセッション@Smalls(2017年)
ルイ・ヘイズ『Serenade for Horace』(-2017年)
ジョシュ・エヴァンス@Smalls(2015年)
ルイ・ヘイズ@COTTON CLUB(2015年)
ルシアン・バン『Songs From Afar』(2014年)
ジョシュ・エヴァンス『Hope and Despair』(2014年)
ルイ・ヘイズ『Return of the Jazz Communicators』(2013年)

●デイヴィッド・ブライアント
エイブラハム・バートン・カルテットとアフターアワーズ・ジャムセッション@Smalls(2017年)
ルイ・ヘイズ『Serenade for Horace』(-2017年)
レイモンド・マクモーリン@Body & Soul(JazzTokyo)(2016年)
ルイ・ヘイズ@COTTON CLUB(2015年)
レイモンド・マクモーリン『RayMack』、ジョシュ・エヴァンス『Portrait』(2011、12年)