日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【本】バックミンスター・フラー著/芹沢高志訳 「宇宙船地球号操縦マニュアル」 (ちくま学芸文庫)

2010-11-23 23:20:47 | 本・映画・展覧会
 過去に読んだ数冊同様、BE-PAL掲載の漫画「アウドドアズマン列伝」(たがみよしひさ)に導かれての読書。

 フラーの名前は知らなくても富士山測候所のレーダードームを知ってる人は多いと思う。あの白い三角形をベースにした多面体。アレに至る理論を導き出した人である。いちおう工学者と言うことになっているがその理論は多岐に渡り、最終的には思想家に行き着く…

 本書は、公開ワークショップでフラーが語ったことをまとめてあるようだ。訳文は口語体が多く、簡単に講義を聴いてる気分に浸れる。内容はちょっと難解。難解なようでシンプル。シンプルなようで奥が深い。読むに従い印象がどんどん変わる。大前提としてあるのは「(我々を含む)宇宙は動的であるが最終的には均衡している」「グローバルに考えグローバルに行動せよ」と言ったところか。分
かったような、分からないような。本書を読んだ記憶として留めておきたいキーワード、「超物質的(メタフィジカル)」「シナジー」。

 フラーの主張が正しいか否かはさておき、その先見性は凄いと思う…と言っても本文だけでなく解説まで読んでなるほどと頷けるのだが…そうそう、訳の妙というか「持続性」なんて言葉が出てきていることも凄い。本書は1/5ほどものページが年譜と補足、それに解説に充てられており、もし今後読まれる方が居ればここから読むことをお勧めする。訳者の他の作に「いずれ読もうリスト」にメモってある「宇宙船とカヌー」が含まれているのは偶然だろうか。

 難しいと呻きつつも1日で読みきるほど、この本には惹き付けられた。

 2010年11月13日 自宅にて読了
コメント
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