日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【本】杉山隆男著 「兵士に聞け」(新潮文庫)

2012-08-22 23:04:41 | 本・映画・展覧会
 分厚い文庫本だが、冗長ということはない。ライフワークと言えば大げさだが、著者が数年間にわたって全国の自衛隊基地を訪問し、「花形職場」には限らず部署の隊員たちと重ねてきたインタビューから構成されたストーリー集である。

 陸自のレンジャーは確かに、花形ではないが一目置かれる存在であろう。だがレーダーサイトの要員(しかも私にとって縁のある北海道奥尻島だ!)とか、駆逐艦ちがった護衛艦のミサイル要員とか、普通の人はあまり知らない職種の隊員をもインタビューの相手として選んでいる、それが本書の価値の一つ。チームは決してスタープレイヤーだけで成り立っているわけではないのだ。

 もちろん自衛隊30万人全てが己の待遇処遇すべてを受け入れているはずはなかろうが、本書に登場する隊員たちは皆、黙々と日々をこなしている。地震や風水害の「災害派遣の時のみ、吉田茂いうところの「日陰者」に日が当たるようでは困る。自衛隊を英雄視するつもりはないが(被災地での献身的な活躍と昨今の不祥事の対比たるや…)、自衛隊とは何か、どこまでを任務とするか、その任務に対する装備は本当に現在の水準で過不足ないのか、タブー視せずヒステリックにならず冷静に議論できないものかと、この国の為政者(偽政者?)を見ていて思う。ついでに書いておこう、自衛隊を違憲とか何とか非難してきたくせに自分の護衛を要求した鉄面皮な「平和活動家」がいることも。

 2012年8月12日・フェリー「クイーンコーラルプラス」船上にて読了
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2012年8月12日 【旅行】ラストワンピース・沖縄(3)

2012-08-22 20:57:25 | 旅行・ハイク&ウォーク
 海はベタ凪ぎ、マットも具合良く何よりの正解はクルマから車中泊用の「マイ枕」を持ち込んだこと!おかげで良く眠れた。

 もう一つ持ち込んで良かったもの、同じくキャンプ用のチェア。フェリーには広いデッキがあるが大抵ベンチなどはない。風も直射日光も当たらない場所を選び、大海原を眺めながらビールや読書を愉しめる、もちろん居眠りしても良い。何れにしてもクルマ旅ならでは。ついでに書いておくと、船内では自前のサンダルが便利。夏期は冷房が効きすぎている場合があるので、薄手のジャンパーを持っておくと、デッキで長時間風に吹かれても疲れない。そして日焼け止め。たぶんネットを探せば「フェリーに乗るとき便利な品々」って纏めてる人がいるんじゃないかな?

 夕方まで1日海の上だが、奄美諸島をアイランド・ホッピングしてゆく。名瀬(奄美大島)、亀徳(徳之島)、和泊(沖永良部島)、与論(与論島)と寄ってゆくが、大島、徳之島でごっそり人とクルマとコンテナが降りかなり空いた。港に着くと殺気立ったと言っても良い勢いで荷役作業が行われるが、それでも遅れ回復にはつながらない。予定停泊時間で出すのが精一杯?いや、じりじり遅れているような…写真は途中で反航(すれ違い)した僚船「クイーンコーラル8」です。

 結局、下船する本部港には出航時より更に15分の遅れを積み増しして到着。入港時、乗り継ぐ予定だった船が目の前を出ていった…途中から電話を入れておいた今夜の民宿に改めて電話してキャンセル、港周辺に民宿はあるようだったが、名護まで遠回りしながら走ってビジホ泊まりにした。とにもかくにも沖縄上陸、これで我が愛車は全都道府県を走ったことになった。ヤッタネ!

本部港 1630予1745実

本日の走行距離:38km

ルートイン名護泊

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【本】村上春樹著 「雨天炎天」(新潮文庫)

2012-08-22 07:41:23 | 本・映画・展覧会
 ギリシャのアトス(アトス自治修道士共和国と言うそうである)、聞いたことあるけどどこだっけ…宗教に詳しくない人でなければ分からないような場所を旅先とした紀行文、続いてのトルコもある。普通にレンタカーなどで回った旅ではなく、カメラマンとバックパックを担いで「修行の道」を辿った異色作とも言える。

 村上春樹の著作を何作か読んできたが、どうも自分には世間的に評価されている文学色の強い作品より、こうした旅行記やエッセイ的な作品の方が読みやすく、作家の人となりに触れられた気がして喜ばしい。匿名の作家の作品だとして、一読して村上春樹の作と分かるほど精通してはいないのだが、本作のような旅の目的地の選定、作中の節々に出てくる歴史や文化への造詣の深さ、それでいて重苦しくなく、驕りたかぶるわけでもなく、軽薄なのでもなく、飄々と言うよりももう少し重く、自然体ではあるが聖人ぶったところのない感想やふるまいを読むと、あぁこれが村上春樹なのかと知った気になるのだ。

 2012年8月12日・フェリー「クイーンコーラルプラス」船上にて読了
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