日々のつれづれ(5代目)

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【本】内田 樹著 「街場のメディア論」(光文社新書)

2013-06-23 07:00:56 | 本・映画・展覧会
 巷間いわれる「メディアの凋落」と言うテーマに何故そうなのかという解説を、統計データからでなく著者ならではの理論で行う。面白い。「メディアが求めるのはNEWSであり、変わらないものは報道そして批判の対象にならない」と言う理屈(著者がそう思っているのでなく、メディアの姿勢を言っている)はなるほどねと納得させられた気になる。

 一方で著作権に関する理屈(著者は自らの著作物について「引用転載自由」を宣言している)は、思想としては高邁だがそれで作家の生活は保障できるのかと心配になる。「私自身が食べてゆけているのがその証左です」と言われるかな。

 本書は大学における講義録を大幅に加筆修正したとのことだが、こういう内容の講義なら面白くて学生も寝たり私語したりしないんじゃないかな?それとも、大学生時分では世の中の仕組みが分からなかったり、理屈を理解する力はまだ備わっていないかな?

 著者の言うとおり今後の主力は「マスメディア」ではなく「ミドルメディア」になるのか、いやそういう力関係の交替は起こらず両者並存なのか。世の中の人すべてがネットやソーシャルメディアを使いこなすわけではないので、従来の新聞テレビが消滅することはないとは思うな。1社1局くらい消滅しても良いんじゃないかとは思うけど。

 2013年6月15日 名古屋市・宿泊先のホテルにて読了
コメント
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