沖縄から鹿児島そして長崎へ。黒潮の流れに沿って北上するルート途中の島々(総てではない)で切り取った風景、風俗。どちらかと言えば風俗が多いか。素朴な、しかし伝統ある小さな祭り、島で生きてきた人々の飾らぬ表情など、沖縄県では撮影した島のいずれにも行ったことある身としては非常に既視感あり親しみの持てる作品が多かった。ただ展覧会タイトルの「潮路」は、キャプションの撮影地を見てそれを頭の中の地図にプロットしなければイメージできない。数ある離島のなかから何故それらの島々を選んだのか(偶然か必然か)、それらを結び付けているものがあるのかないのかは作品からは伝わってこない。伝わってくるのは、南の方の島であろうと言う開放感(空の広さや屈託ない子供たちの表情)である。もちろんそれらは好ましいものなのだが。
2017年3月30日 銀座ニコンサロンにて
2017年3月30日 銀座ニコンサロンにて