日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【本】吉岡 忍著 「ある漂流者のはなし」(ちくまプリマー新書)

2019-03-11 20:22:50 | 本・映画・展覧会
 どれだけ造船や航海術が進歩しても、海洋遭難がゼロになったわけではない。これまでに難破の記録、漂流の記録はいくつも出され読んできた。遭難者が10人いれば遭難中の行動は10ある。だから何作でも読む。

 本書は、長崎の漁師が自分の漁船のエンジン故障から漂流し、37日後に黒潮に乗って日本から遠く東の海上へ流された武智三繁さんへのインタビューを再構成したもの。漁師の倣いで少しではあるが水や食糧を積んでいたとは言え、一ヶ月以上は長い。救命筏でなく横になって眠るスペースのある漁船だったことが体力消耗のペースを落としたのだろう。助かって良かった。

 たいへんな「事件」だったのに、遭難最中の様子を述べる武智さんに気負った様子や悲壮感が伺えないのが印象的。救助後の記者会見でも割と淡々としていたそうだ。遭難時点から既に悟りを開いていたかのような。

 本書の感想はそこまでで良いが、武智さんのその後についてネットに情報が上がっていた。全国各地を講演で回る過程で、講演前の緊張を紛らわすため飲み始めた酒が過ぎて依存症となり、その後は生活保護で暮らしているのだと。遭難さえしなければ小さな漁村で淡々とした人生を送っていたのだろうが。それでも、陸に戻って来られて良かったのではないのだろうか。

 2019年2月19日 通勤電車にて読了
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【本】高木暢夫著 「自分流儀の海外旅行術」(生活人新書)

2019-03-11 06:04:00 | 本・映画・展覧会
 出張者でもない普通のサラリーマンとしては渡航回数は多い方じゃないかと思っているし、自分なりの旅のスタイルは固まりノウハウも蓄積されているんじゃないかと思う。なので敢えてそれっぽい本を読んで、何か新しいやり方や用品などの情報が得られないかと思い借りてみた。本書には、本来は一人で旅する派の著者がツアコン業に就いて感じたことが書かれている。

 内容は概ね同意、ツアーだと個人手配より安い代りに「マイペース」を封印し「同調圧力」を受け(人によっては掛け)忙しく動き回るばかりで、知らない土地を歩き回る苦労も、食べ物で失敗することも、現地の人々と四苦八苦しながら触れ合うこともない。ただし一人旅だと割増料金を結構取られるので、結局は個人手配と大差ないことも…公共交通不便な外国で安全かつ効率よく移動できる貸切バスの旅は魅力的だが。とは言え最近は著者の指摘点をカバーするように、ゆったり、自由時間たっぷりと言うツアーもある。二人以上でうまく使えばツアーも悪くないと思う。

 それにしても、旅先での(特に現地の)人々との触れ合いってそれほど重要だろうか。世の中には食べ物に興味を持たない(現地へ行っても慣れた日本食や定番の洋食を望む)人がいるのと同様、人と接触するのが鬱陶しく面倒な人間もいるのだ。信じて貰えないかもしれないが、最近の自分がそう。道を聞いたり気持ち良く過ごすためのコミュニケーションは怠らないが、それ以外では一人でいたいのです。。。

 2019年2月18日 通勤電車にて読了
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