「すべての美しい馬」に続く「国境三部作」二作目を読んだ。今回は16歳の少年とその弟による、盗まれた馬を追ってのアメリカ南部からメキシコへの旅。前作同様、食うや食わずの生活で一体何が彼らをそこまで駆り立てるのかと言う感じがする。駆り立てられていくのか、居られなくなって出てゆくのかと言う話もある。
ハッピーエンドではなく、主人公だけは生き残って物語を終えるが殆どはバッドエンドと言って良い。さんざん追いかけて苦労して取り戻した馬は死に、弟もならず者に殺されてしまう。それでいて主人公が物持ちになったわけでも良き伴侶を得られたわけでもない。どうしようもない無常観、貧乏生活から這い上がれない閉塞感(主人公に這い上がろうとする意志があるかは疑わしいが)に覆いつくされ、これが大衆に支持される世の中は相当にまずい世相ではないかと思える。
2作読んだら3作目も、とは思うが、こんな暗い本を読んで考え込むことが自分にプラスになるんだろうか。
2021年11月30日 自宅にて読了
ハッピーエンドではなく、主人公だけは生き残って物語を終えるが殆どはバッドエンドと言って良い。さんざん追いかけて苦労して取り戻した馬は死に、弟もならず者に殺されてしまう。それでいて主人公が物持ちになったわけでも良き伴侶を得られたわけでもない。どうしようもない無常観、貧乏生活から這い上がれない閉塞感(主人公に這い上がろうとする意志があるかは疑わしいが)に覆いつくされ、これが大衆に支持される世の中は相当にまずい世相ではないかと思える。
2作読んだら3作目も、とは思うが、こんな暗い本を読んで考え込むことが自分にプラスになるんだろうか。
2021年11月30日 自宅にて読了