ことし巡って来た四国遍路だが、「辺土」が転じたと言う説を事前に読んだ本で知った。辺境の土地と言う意味である。本書は、いささかネガティブな遍路史とも言える。
まずカッタイ(らい病患者)道。そもそも四国遍路は、犯罪、四肢障害などで通常社会に居場所を失くした人々が流れ着いた「さすらい道」だったと言うが、その中でも更に人目に付かない道があったと言う。今でこそお遍路さんと言うと時には崇められ、接待を受けたりもするが、昔は逆で忌避されたり石もて追われたりする存在ですらあった。
草遍路とは、僧でないのに門付けや托鉢などしながら無期限に四国を回る者。職業遍路とも言われ、現在でも存在していると。残念ながらと言うか、バイクでサーっと走り回った限りでそれっぽい人には出会わなかった。著者は数人の草遍路とコンタクトすることに成功し、インタビューしたり行動を共にしている。
こうした人々、もしくはそれを支援する人々と密接に関わっているのが路地。家々の間の細い道のことではなく、被差別部落を差すとつい最近知った。その路地が遍路とどう結びついたのか、著者はこれも実際に訪ね、古老に話を聞いたりしている。
一般的なルポよりも個人的興味からと言った色が強く感じられ、主観的に過ぎるのではと思わないでもない。だがその分生々しく、出版が新しく(2021年)自分が行ってきたばかりであることもあり、たいそう興味深く感じられた。
2022年6月15日 自宅にて読了
まずカッタイ(らい病患者)道。そもそも四国遍路は、犯罪、四肢障害などで通常社会に居場所を失くした人々が流れ着いた「さすらい道」だったと言うが、その中でも更に人目に付かない道があったと言う。今でこそお遍路さんと言うと時には崇められ、接待を受けたりもするが、昔は逆で忌避されたり石もて追われたりする存在ですらあった。
草遍路とは、僧でないのに門付けや托鉢などしながら無期限に四国を回る者。職業遍路とも言われ、現在でも存在していると。残念ながらと言うか、バイクでサーっと走り回った限りでそれっぽい人には出会わなかった。著者は数人の草遍路とコンタクトすることに成功し、インタビューしたり行動を共にしている。
こうした人々、もしくはそれを支援する人々と密接に関わっているのが路地。家々の間の細い道のことではなく、被差別部落を差すとつい最近知った。その路地が遍路とどう結びついたのか、著者はこれも実際に訪ね、古老に話を聞いたりしている。
一般的なルポよりも個人的興味からと言った色が強く感じられ、主観的に過ぎるのではと思わないでもない。だがその分生々しく、出版が新しく(2021年)自分が行ってきたばかりであることもあり、たいそう興味深く感じられた。
2022年6月15日 自宅にて読了