日々のつれづれ(5代目)

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【映画】大河への道

2022-06-07 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 正統派の時代劇は好きだが、時代劇コメディはもっと好きだ。ところが本作はコメディタッチな現代と、ガチな時代劇とを同一キャストが演じて往き来するユニークな構造となっている。それでも観客は戸惑うことなく、現代と約200年前とを行き来できる。

 全国の海岸線を歩いて測量し、初めて全国の地図を作製したとして名高い伊能忠敬(地元では「ちゅーけいさん」と呼ばれ親しまれているそうな)。だが実は、地図の作製は彼の死後に弟子たちによって行われていたと言う大スキャンダル。作成までの費用がかさみ、伊能が亡くなったことが知れるとプロジェクトは中止になるかもしれないため、弟子たちは関連する侍を巻き込んで、地図作成まで伊能の死を隠ぺいする工作を企てる。で、それが現代とどう関係あるの?

 千葉県香取市の佐原は町中を小川が流れ、短いながらもその両岸は古い町並みが保存され良い雰囲気を残している。その町並みのはずれに伊能忠敬記念館がある。ここの展示に、伊能忠敬の地図と同縮尺にした衛星撮影地図が重ねて展示されており、その正確さに劇中の登場人物同様、ひどく驚き感動したことがある。それだけに本作は設定をリアルに感じられ、一方でシリアスな江戸時代部分は手に汗握る部分もあり、実に面白かった。

 中井貴一ってサラブレッド俳優だけど、大真面目にトボける表情が上手いと感じ、本人は正統派二枚目より喜劇王を目指してるんじゃないかって思う。相方役の松山ケンイチとのやり取りは軽妙洒脱。北川景子の華はさすが。でも何より驚いたのは、本作の原作は落語で、出演もしている立川志の輔だってことだった。どこでも良いので、鑑賞をお勧めしたい。

 2022年5月26日 川崎・チネチッタにて
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