青森県八戸あたりに住む作者が、同市在住の最高齢イタコ・中村タケさんの元に通い撮影したタケさんの生活風景。「口寄せ」シーンもあれば、ふだんの生活のシーンもあり、知らなければ何でどこにでもいるような婆さんの写真展をやってんだと思ってしまう。
本展で作者は、口寄せの素晴らしさを訴えたり、或いは貶めようとしているわけではない。ただ、残り少なくなったイタコの現状を記録し、被写体を気に掛け寄り添おうとする気持ちが伝わってくる。普段の生活での笑顔と、口寄せの最中の「憑依した」時の凄味ある顔は、全く違ったものであるのが興味深い。
ちょうど来訪者が途絶えたところで訪問時の様子やタケさんの暮らしぶりについて、作品以上の情報をいただくことができ理解が深まった。
2023年12月20日 ソニーイメージングギャラリー銀座にて
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