先日の夏日はどこへやら、一気に寒の戻り。雪でも降るんじゃないかって冷たい雨に出かける意欲は失せ、ベッドに入って読書。
都内とりわけ武蔵野台地から下町へ向かい、かつて何本もの用水が引かれ、そこから網の目のような拡がっていた。その多くは無用となり、埋められたり土管化されたりコンクリ蓋をされたりの暗渠(あんきょ)化工事が進められた。本書は、そうした暗渠化された用水群の現状を何地域も現地に訪ね、克明に追った記録でもあり、紹介でもある。
とにかく労作と言う他ない。対象となる用水(暗渠)の歴史を調べ、現在の地図と照合してマッピングし、現地を歩き撮影し、それらを纏めてゆく。本書は改訂版だそうだが、初版と合わせればどれくらいの時間を要したのか。
東京とは言え縁のない地域の用水が多くリアルに感じられる部分は少なかったが、豊富な写真はいずれもカラーで雰囲気がよく伝わってきた。著者および関わった人々の苦労を多としたい。
2024年2月23日 自宅にて読了
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