「駅からハイキング」で藤沢界隈を歩いた時に立ち寄った遊行寺で思い出した一遍上人。そう言えば何も知らないなと思い、関連の本を借りてみた。
タイトルの「捨聖」は「すてひじり」と読み、修行の仏具以外は全てを捨てて旅立った遊行僧の意。本書は絵巻物「一遍聖絵」の主要シーンを軸に上人の生涯を解説するほか、上人なき後の時衆(時宗)の動きまでも解説する。
読んで、断片的に知っていた上人のこと、踊り念仏のこと、時宗のことが結びついた。しかし上人は時宗の開祖と言われてるけど、時宗は上人の縁者(時衆)から興ったもので、上人が組織したものではないとは。
それにしても、南無阿弥陀仏をいっぺん(一念)唱えるだけで極楽往生とは何と平易で実践し易そうな教えであることか。実はこの「いっぺん」の解釈が曲者なのだけど、民衆には受け入れやすかったろうな。
全てを捨ててなんて、自分には無理だ。せめて暖かくなったら、中断している「ぼけ封じ関東三十三ヶ所観音霊場めぐり」を再開しようと、何となく思わされた。
2024年2月22日 自宅にて読了
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます