【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「つるかめ食堂」ベターホーム協会/編集

2015年12月03日 21時50分12秒 | 読書(写真エッセイ)
 「つるかめ食堂」ベターホーム協会/編集

高齢者のためのレシピ本。
私の作る料理は簡単なものばかり。
気になるのは、栄養が十分なのか、と言う点。

【健康長寿の食事6か条】
①1日3食きちんと食べる
②肉や魚を毎日食べる
③エネルギーをしっかりとる
④野菜をたっぷり食べる
⑤牛乳を毎日のむ
⑥食べたら、動く

【参考リンク】
この本の詳しい内容を見る>>

【ネット上の紹介】
○今までになかった、シニア世代のための料理書の登場です。 ○メタボ予防にと、中年期同様に節制ばかりしていると低栄養から老化が早まります。 シニア世代は、老化予防を心がけましょう。 ○高齢者の実態調査から、老化の大きな原因は栄養が足りないこと、との結果がでています。中年期以降の食事の基本は、しっかり食べる。本書で、毎日どんなものを食べたらよいのかがわかります。 ○シニア世代には、歯が悪いなどの食の悩みが。ベターホームの先生が実体験をもとに、食べやすくする調理法やらくに作るくふうなどを折り込んで、健康レシピを紹介します。 ○ご自身のため、お父さんお母さんのために。ぜひ、ご一読ください。


「迷子の自由」星野博美

2014年12月28日 21時10分17秒 | 読書(写真エッセイ)

迷子の自由 
「迷子の自由」星野博美

星野博美さんの写真エッセイ。
写真家だからなのか、一瞬の風景を切り取るのが巧みである。
その現在の風景から、過去や未来も想起させる文章。
ホント、見事である。

P47
なぜ香港にこれほどインド系の人々が多いかというと、一言でいえば阿片戦争が原因だ。インドの植民地化に成功した英国は、次に中国を狙って阿片戦争をしかけた。そしてその際植民地として得た香港には、警察や軍隊要員としてインド人を大量に送り込んだ。その末裔たちが、いまでも香港には多く暮らしているのである。

P150-151
反日感情について書かれている
1937年の盧溝橋事件の後、蒋介石は重慶に臨時政府をおいた。
そのため、1939-41年まで、日本軍の空爆にさらされた。
あちこちに防空壕が残されている。
著者は、そんな重慶に反日運動が高まっている時に訪問している。
ところが、住民の方に親切にされている。
これはどうしたことだろう?

この反日気運は、旧来の単純なナショナリズムだけでは説明しきれない、何か別の不満感情が複雑にからみあって生まれたものではないだろうか。重慶にいたからこそ、私はそう感じた。


[目次]
東京(引っ越しの朝
ブロッコリー ほか)
インド(インドへの道
夢 ほか)
東京(そっぽのアンテナ
サクラチル ほか)
重慶(チュンキン
ルーシーの夢 ほか)
東京(記憶喪失の予定
私は機械になりたい ほか)
[出版社商品紹介]
今日は迷おう。知らない道を歩いてみよう。迷子になることで何が見えてくるのだろう。著者の写真×エッセイ集。


「女子校育ち」辛酸なめ子

2014年12月22日 22時41分54秒 | 読書(写真エッセイ)

先日、「下剋上受験」を紹介した。
これを読んでいて、辛酸なめ子さんの「女子校育ち」を再チェックしたくなった。
気になったのは、次のページ。

これを見ると、桜蔭と雙葉が全く異なる校風であることが分かる。
(それがどーした、と言われそう・・・実際、私に何の関わりもない事だ)

【参考】・・・「女子校育ち」辛酸なめ子


「華南体感 星野博美写真集」

2014年10月06日 21時08分53秒 | 読書(写真エッセイ)


「華南体感 星野博美写真集」

「謝々!チャイニーズ」の姉妹編。
但し、こちらは写真集。
星野博美さんは、作家として有名。
でも、写真家でもある。
今回は、写真家としての作品。

中国華南を旅したときの写真集、である。






【関連作品】
 


「植物記」とカエル

2013年07月27日 06時07分17秒 | 読書(写真エッセイ)


埴沙萠さんの「植物記」を見ていて驚いた。
一本指懸垂をする驚異の写真。
カエル界の大ちゃんか?!

もう一枚紹介する。
こちらは、でんでん虫に挨拶するカエル。
エライ!礼儀正しいぞ、カエル。(にらめっこしてるだけ?)



「植物記」埴沙萠

【ネット上の紹介】
単なる植物図鑑ではありません。季節ごとに移り変わる自然の姿を、わかりやすく紹介。家族で見たい一冊。


「歌舞伎町」権徹

2013年06月14日 21時06分40秒 | 読書(写真エッセイ)

「歌舞伎町」権徹

歌舞伎町を舞台にした写真ルポ。
何年にも及ぶ、数々のスクープ写真。
歌舞伎町の様々な顔をとらえている。
やくざのケンカ、キャバクラの姉ちゃんの出勤風景、警察の取り締まり、ホームレス、ホスト・・・。
3.11のあの日の風景。

P76
報道写真の世界では「人に迷惑をかけるほど、いい写真が撮れる」と言われるが、そんな撮影スタイルに果たしてどんな意味があるのかと自問するようになった。

P80
「歌舞伎町」誕生の物語は、1945年の終戦直後、民間人の主導で始まった。地元の有力者・鈴木喜兵衛氏らは、焼け野原だった新宿を、「銀座と浅草の良さを取り入れた庶民的な娯楽街として復興する」という夢を抱いた。そして終戦わずか2か月で鈴木氏を会長とした「復興協力会」を設立、地権者を説得して回った。

【参考リンク】
権徹『歌舞伎町』 (05/26)
ドキュメンタリー写真家 権徹

【ネット上の紹介】
今はなきコマ劇、事件現場、警察の摘発、犯行の瞬間、夜の歓楽街、家出少女やホームレス、商店街の日常etc.数々のスクープも掲載した渾身の写真ルポ。
[目次]
第1章 にぎやかな歓楽街;第2章 緊迫の取材現場から;第3章 歌舞伎町を「俯瞰」する;第4章 コマ劇場歌舞伎町支え半世紀;第5章 危うさと欲望の漂う街;第6章 歌舞伎町「浄化作戦」;第7章 華やかな世界の光と影;第8章 ボクが出会った素敵な笑顔;第9章 コリアンタウンと韓流スター;第10章 東日本大震災を経験して
権 徹 (ゴン チョル)  
1967年韓国生まれ。大学在学中の88年に休学して海兵隊に入隊。大学卒業後の94年に来日し、日本写真芸術専門学校に入学。報道写真家の樋口健二氏に師事する。99年元ハンセン病患者の写真記事で雑誌デビュー。新宿歌舞伎町、大久保韓流、元ハンセン病患者、在日朝鮮人などを取材。中国四川省地震、3・11東日本大震災の被災地に入り精力的に取材して週刊誌等に発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「本人伝説」南伸坊/著 南文子/写真

2012年11月23日 21時32分10秒 | 読書(写真エッセイ)

「本人伝説」南伸坊/著 南文子/写真

笑える本である。
イラストレーターの南伸坊さんが様々な有名人になりきる。
その写真に、本人になったつもりで、コメントする。
それも、本人が言いそうなこと(あるいは言いそうに無いこと)をコメントする。
説明は難しい、下の写真を見てみて。

南伸坊さんが勝間和代さんになった写真。

「本人」のコメントが次のように書かれている。

私が前著で主張した「断る力」というのは、われわれ有能な者にとって必要な能力ではあるけれども、やってみればわかることですが、けっこう大変です。(中略)
さらに上のステージとはなんでしょう。それが「断られる力」です。
 要点は5つ。
①いいかげんであること
②てきとーであること
③いつもへらへらしていること
④冗談しかいわないこと
⑤しかもぜんぜんおもしろくないこと
 あなたの世界はドラマチックに変わりはじめます。

いかがでしょうか?
こんな感じで70人くらいの「有名人」になりきっている。
名人芸の作品、と言える。(う~ん、なんともすばらしい)
もう2人ほど紹介する。

スティーズ・ジョブズ

ワンチュク国王

【ネット上の紹介】
菅直人から浅田真央、酒井法子から橋下徹まで近年の有名人になりきる「本人術」。なりきれば真実が見えてくる?爆笑必至の1冊。

「イマドキの野生動物 人間なんて怖くない 写真ルポ」宮崎学

2012年06月23日 20時15分13秒 | 読書(写真エッセイ)


「イマドキの野生動物 人間なんて怖くない 写真ルポ」宮崎学

宮崎学さんの新刊。
出版社は農山漁村文化協会。
マイナーな出版社だからという訳じゃないけど、図書館に入荷しないだろうな、と思って取り寄せて購入した。
現在の環境問題、獣害問題を考える際の、テキストともいうべき作品、と思う。

P62
いつから日本人は、人間社会を自然と切り離して考えるようになったのだろう。先人たちは、田畑が動物たちの餌場であることを、つまり人間が土地を独占などできないことを、充分すぎるほど理解していた。だからこそ、収穫期には小屋で寝ずの番をしたり、猪鹿追いをしたり、猪垣をつくったりと、さまざまな対策を日常的に講じていたのである。
現在の獣害問題を考えたとき、いちばん欠けているのは、私たちが自然に囲まれて生活しているという、この当たり前の共通認識ではないか。

P95
かつて日本人は人里で犬を飼い、犬に周囲の危険を察知させていた。サルなどは縄文時代からその犬に追い回されていたから、「犬猿の仲」になっていたのだ。
ところが数十年前から、犬は放し飼いを禁止され、鎖に繋がれている。サルはもう犬に追われる心配がないことをちゃんと読み抜いて、近年はとかく傍若無人になってきたわけだ。

【おまけ】
クラックスに電車で行く時、私は豊津から川沿いを歩いて行く。
川の名前は糸田川と言うらしい。
昨年末、その糸田川でネズミの親方のような動物をみたことがある。
この本のP49に登場する「ヌートリア」ではないか、と思う。
本の説明によると、土手にトンネルの巣を掘って生活したりするそうだ。
警戒心の強い動物で、あまり人目につかないよう行動するようだ。
クラックス常連の方、どうなんでしょう?

【ネット上の紹介】
大胆不敵、傍若無人…いったいなぜ動物たちはこれほど大胆な行動をとるようになったのか。
[目次]
1章 変わりゆく動物地図―自然環境の変化を受けて(ノウサギ盛衰記;「幻の動物」はいま ほか);2章 外来動物、勢力拡大中―日本の自然に溶け込む(空飛ぶハクビシン;マングースに土日はない ほか);3章 現代の山の幸―「餌づけ」って何?(田畑に集う動物たち;フルーツ天国 ほか);4章 人間なんて怖くない―人慣れした新世代動物(傍若無人なサル;トラクターに群れるアマサギ ほか);5章 サインを読みとくヒント―野生動物と向き合うために(「松枯れ」というサイン;足跡で読む動物の心理 ほか)


「ピュリツァー賞受賞写真全記録」ハル・ビュエル

2012年02月27日 22時36分46秒 | 読書(写真エッセイ)

 
「ピュリツァー賞受賞写真全記録」ハル・ビュエル

タイトルどおりの内容。
それぞれの写真に対して、丁寧な紹介文章と時代背景が説明されている。
これらを見ると、20世紀も21世紀も戦争と暴動、暴力の連続であったと思い知らされる。
ショッキングな写真も多数含まれているので、繊細な方はうなされるかもしれない。
なお、本書は日経ナショナルジオグラフィック社発行で、一般の書店では入手しずらいかもしれない。
私は図書館で借りた。
写真 
「爆撃からの逃走」  沢田教一 (c) Kyoichi Sawada(UPI)/Corbis 1965年撮影、66年

【参考リンク】
時代を象徴するピュリツァー賞受賞作品 70年の記録を写真集で振り返る 

 【ネット上の紹介】 
アメリカで最も権威ある賞のひとつ、ピュリツァー賞。最初の受賞写真は、自動車工場でのストライキを写したものだった。その後70年間に受賞作が伝えたのは、ベトナム戦争、冷戦、アフリカの紛争、イラク、アフガニスタン、噴火、地震、津波。写真家が全身全霊をかけて切り取った1枚の写真に、時代のすべてが映し出されている。1942年の写真部門創設から、最新2011年の受賞写真までを収録。受賞写真を編年で紹介。撮影時の状況、写真への反響、写真家自身の証言、撮影機材や条件を記した撮影データ、背景を理解する助けに、同時代の出来事を付した。

[目次]

第1期 大判カメラと初期のピュリツァー賞受賞作品(1942年・デトロイトの労働争議(ミルトン・ブルックス);1943年・水を!(フランク・ノエル) ほか);第2期 カメラの小型化、ベトナム戦争と公民権運動(1962年・孤独な2人(ポール・パシス);1963年・革命と罪の赦し(ヘクター・ロンドン) ほか);第3期 新たな賞、特集写真部門の創設(1970年ニュース速報部門・キャンパスの銃(スティーブ・スター、AP通信);1970年特集部門・季節労働者の移動(ダラス・キニー) ほか);第4期 カラー写真、デジタル化、女性写真家、アフリカ(1981年ニュース速報部門・浜辺での処刑(ラリー・プライス);1981年特集部門・ジャクソン刑務所での生活(タロウ・ヤマサキ) ほか);第5期 デジタル革命(2003年ニュース速報部門・コロラドの山火事(ロッキー・マウンテン・ニューズ紙写真部スタッフ);2003年特集部門・エンリケの旅(ドン・バートレッティ) ほか)


サライ 2011年7月号

2011年07月06日 20時08分46秒 | 読書(写真エッセイ)


サライ 2011年7月号

最近、「サライ」がおもしろい。
もともと、「趣味・食・旅」を3本柱にする雑誌。
「趣味」と言っても幅が広いが、このところ、良い感じで特集を組んでいる。
7月号は「美術特集」。
目次を見ると、「これから美術の話をしよう」、とある。
「お前はサンデル教授か!」、と突っ込みたくなる。
まぁ、それなりに楽しめるからヨシ、としよう。

なお、先月6月号は『日本森紀行』。
これも、よかった。
「日本の森15選」、ってのがある。
次のとおり。

沖縄県・西表島
宮崎県・綾川渓谷
福井県・雄島
東京都・明治神宮
北海道・富良野東大演習林
沖縄県・やんばる
鹿児島県・屋久島
高知県・魚梁瀬杉
京都府・北山杉
奈良県・三重県・和歌山県・紀伊山地
岐阜県・飛騨高山
長野県・上高地
山形県・朝日連峰
青森県・秋田県・白神山地
北海道・知床半島


「森の写真動物記」(1)-(8)宮崎学

2011年05月21日 08時03分04秒 | 読書(写真エッセイ)




宮崎学さん動物写真シリーズ。
『森の写真動物記』シリーズ、全8巻。
2ヶ月くらい前から、少しずつ読んでいった。
いずれも興味深い内容、である。
例えば「樹洞」。
樹に出来た穴を動物が順番に住んでいく。

台風や大雪などの自然の力で枝が折れると、そこに菌類やアリなどの昆虫が入りこみ、10~20年ぐらいかけて、穴ができていきます。そうした穴にシジュウカラが巣をつくり、世代交代をしながら10年くらいかけて、利用していきます。
そのうちに、巣穴にのこされた巣材が内部でくさって、菌がひろがったり、昆虫やムササビがかじったりして、穴がさらにひろがると、シジュウカラは利用できなくなります。すると、この穴をムササビが巣穴にします。ムササビも世代交代をくりかえしながら、20~30年間つかいつづけます。
やがて、穴がもっと大きくなると、こんどはアオバズクやオオコノハズクなど、小型のフクロウのなかまが、世道交代をしながら50年、さらに大型のフクロウが100年かけて、つかいつづけていきます。
そして穴が、木がもちこたえられるギリギリの大きさになったところで、さいごにツキノワグマが、冬眠用の穴につかいます。ここまでくるのに、200年~300年。そこからクマは、おなじく世代交代をくりかえしながら、さらに200年~300年ものあいだ、つかいつづけていくことでしょう。


こうして考えると、人間の家など、なんと寿命が短いことでしょう。
自然だと、シジュウカラ→ムササビ→アオバズク→フクロウ→ツキノワグマ・・・と、様々な動物が利用し、1000年のスパンで使われる。

まれに何百年に1度というような大きな自然災害があり、森が大きなダメージを受けることもあります。これは、1000年以上の単位でみたときには、古くなった森をつくりなおしたほうがよい場合があるからです。

う~ん、実に奥深い。

【ネット上の紹介】
日本の森に、どんな生きものが、どのようにくらしているか、知っていますか。この本では、森でくらす鳥や動物を、無人で撮影できるデジタル・ロボットカメラで追いました。人間に通学路があるように、動物たちにも、毎日とおる道があります。それを「けもの道」といいます。たくさんの動物たちが、この道をつかっています。動物たちが踏みかためてつくる道、渓流の飛び石づたいの道、人間がとおる登山道や車道など、「けもの道」には、いろいろあります。「けもの道」を、山の頂からふもとまで、じっくり観察することによって、わたしたちがふだん知ることのない、動物たちのいきいきとしたくらしがみえてきます。小学中級から。
宮崎 学 
1949年、長野県に生まれる。精密機械会社勤務を経て、1972年、独学でプロ写真家として独立。『けもの道』『鷲と鷹』で動物写真の世界に新風を巻き起こす。現在、「自然と人間」をテーマに社会的視点に立った「自然界の報道写真家」として日本全国を舞台に活躍中。1978年『ふくろう』で第1回絵本にっぽん大賞。1982年『鷲と鷹』で日本写真協会新人賞。1990年『フクロウ』で第9回土門拳賞。1995年『死』で日本写真協会年度賞、『アニマル黙示録』で講談社出版文化賞。2002年「アニマルアイズ(全5巻)」シリーズで学校図書館出版賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


美術手帖2011年2月号

2011年02月27日 22時23分02秒 | 読書(写真エッセイ)


『動物写真特集』なので読んだ。
宮崎学作品が1番印象に残る。(私の趣味と重なる部分が多い)
この雑誌、ネット上で次のように紹介されている。

[特集情報]
●動物写真がすごい!

 *PHOTO SESSION
  ◆岩合光昭と梅佳代の動物園撮影会
 *ARTIST 
  1)岩合光昭  地球を旅する動物写真家
  2)宮崎学  自然界の報道写真家
  3)今本淳  海の不思議を撮るウミウシ写真家
 
  ◆星野道夫とグリズリー
  ◆岩合光昭とネコ

 *SPECIAL TALK
  ◆「動物写真」ってなんだろう?
   対談  小原真史×梅佳代

  ◆梅佳代セレクション 動物写真集6冊

以上、いかがでしょうか?
興味があれば手に取ってみて。


「フクロウ」宮崎学

2011年02月01日 22時13分16秒 | 読書(写真エッセイ)


この写真集の原本が出版されたのは、1989年10月。
長らく絶版だったのが、昨年10月に再構成され出版されたと聞き、さっそく取り寄せて購入した。
う~ん、これはいいよ~。
ふくろう、愛嬌あるし、見ていて飽きない。
絶妙なショットがいっぱい掲載されている。
なにげないシーンも、あとがきを読むと、そうとう苦労して撮影していることが分かる。
(以下、あとがき引用)

同じ冬でも雪の降り方は年ごとに違い、今年がだめだったからと翌年に雪のシーンを期待してもほとんどが空振りに終わってしまうのだった。
そこで気づかされたのは、大雪などは10年に一度といったスパンで自然界にプログラムされているということであり、この写真集の雪のシーンはその10年間でたった一回だけのチャンスをものにできた結果であることを申し添えておく。


ちなみに私の気に入っている写真はP78。
雄が雌にネズミをプレゼントする写真。
次のようなキャプションが付いている。

フクロウの求愛給餌 巣穴から100メートルの松の枝に雌がいる。雄が獲物をもってくると、雌はあまえた声で鳴く。その声を聞くと雄は雌に獲物をプレゼントする。

購入する余裕のない方は、図書館で借りてみて。

【ネット上の紹介】
はじめて見る、自然のフクロウの美しさ、りりしさ、愛らしさのすべてがここに!「幸運を運ぶ鳥」「不苦労」と言われ、多くの人に愛されているフクロウ。1990年に写真界の直木賞ともいわれる土門拳賞を、動物写真で初めて受賞した、本物のフクロウに出会える伝説の名写真集が、リーズナブルなHANDY EDITION版で登場!


「僕は動物カメラマン」宮崎学

2011年01月30日 08時27分40秒 | 読書(写真エッセイ)

表紙
1983年出版された宮崎学さんの自伝。
宮崎学さんのブログを時々見ている。
写真多数掲載され、文章もおもしろい。
それで、自伝を読みたくなった。

著者は伊那谷中央アルプス山麓にある駒ヶ根高原の一角に住んでる。
以下転載。

野生動物たちは、季節の移ろいにはきわめて敏感である。そして、漫然と生活しているように思われがちであるが、じつはきわめて規則正しく、四季の変化に忠実に対応しながら生きているのだ。彼らは、季節の変化を、きわめて正確に計算しながら生活している。そんな野生動物たちの生活圏にもっとも近いところで、私も彼らとおなじようにいち早く季節を感じとりたくて、この高原に生活の場を求めたのだ。
信州の片田舎から他の土地へ出ていかないのも、そのためである。四季がもっともはっきりとしているところで、動物たちが感じているであろう自然の風や熱や空気、土や水や色を、写真の世界にまでとり入れたくて、私は中央アルプスの山麓を選んだ。
(中略)ワナにかかったものを足元だけ隠して写した写真を生態写真だといって発表しても、動物写真でとおってしまう。死んだり、剥製になったものをあたかも生きているもののように写して発表しても動物写真である。これらをひっくるめて、生活のために撮り続けていっても“動物写真家”であるといわる。
だが、私は、自分で山を見きわめ、目ざす動物の痕跡をさぐり、そして、目的の野生動物を写すといった、そのような課程を大切にしながら彼らと対峙することのほうがより重要だと、かたくなに信じているのだ。

【参考リンク】
宮崎がく写真館 森の365日公式ホームページ)


「アニマルアイズ動物の目で環境を見る」(5)宮崎学

2010年12月03日 22時44分54秒 | 読書(写真エッセイ)

シリーズ第五作目、最終巻「においの地図」。
においと動物の関係について。
人間はくさい匂いが苦手。
でも、そのくさい匂いが好きな動物もいる。
今回の写真では、「ふん」や「ゴミ」の写真がいっぱい。
それに群がる動物たち。
著者の文章を紹介して、このシリーズを終わる。

甘い花の蜜が大好きなハクビシンが、ツバキの木にすがたをあらわした。人には感じないほどの、かすかな花のにおいが、ハクビシンをよんだのだ。
木々や草のにおい、動物のにおい、水のにおい、魚のにおい、それに、くさったにおいやうんこのにおい・・・・・・。
においをのせた風は、いろんなリズムをもっている。
かすかなにおいをただよわせる、やさしい風。強いにおいのかたまりを、グワーンとぶっつけてくる風。そんな風が、交代に、リズムをもって吹いてくる。
ぼくの鼻が、動物の鼻になったとき、そのリズムが、ぼくにもつたわってくる。
風にのってくる、さまざまなにおいをかぎながら、ぼくは、鳥やけものや昆虫たちの気持ちになって、あたりを見まわす。すると、それまで見えなかった、においの道が見えてくる。
その道をたどれば、おいしいものにつながっている。
ここは、好きなものがある場所、ここは、きらいなところ・・・・・・。人間の感覚だけでは、見えないものが、動物たちには、においをとおして、見えている。
ぼくらのくらしている世界のことも、動物たちは、ぼくらとはちがう地図で、とらえているのかもしれない。