【ニュージーランド・クライミング】(キャッスルヒル・ボルダリング編)
●1/2(日曜)曇りのち雨、のち晴れ
今日は観光&移動。
2ヶ所チェックしておいた観光ポイントがある。
ひとつは、ププ・スプリング。
もう一つは、グローブ。
どちらも、takakaから車で15分くらいの距離。
両者とも感じのいい周遊コースがあって、気持ちよく歩ける。
印象として、シンプルな観光地。
なぜなら、派手な看板も、お土産もないから。
日本だと、ププ煎餅やグローブ饅頭を売ってるだろう。
後に記述するアーサーズパスにも、絵葉書しか置いてなかったし。
シンプルな国・ニュージーランド、である。
(↑これがグローブ)
(↑こちらププ・スプリング、文字どおり泉水が湧き出ている、透明度抜群)
さて、観光も終わって、いよいよ出発。
ルートは次のとおりで、最短を目指した。
Takaka-Motueka-Kawatiri-Murchison-Inangahua Junction-Reefton-
Greymouth-Kumara Junction-Arthur's Pass-Springfield
運転は往きと同様、交代で行った。
それにしても、ニュージーランドでの運転はやたら眠くなる。
交差点がない、信号がない、同じ景色ばかり、羊しかいない。
日本だと、電信柱に産婦人科の広告があったり、バイ○グラ、とか書いてあって退屈しない。
ニュージーランドの道路には広告宣伝の類がない。
観光地同様、質素というか、過剰さがない。
悪く言えば、愛想がない。
その分自然が豊かなんだけど。
でも、最初に戻るけど、運転していて眠くなる。
ハジメちゃん曰く、「自然が豊かゆうのも飽きるな」、と。
なんとバチ当たりな!ニュージーランドに来てそんな事を言う奴はおらんぞ!
さすがに私も、そこまでよう言わん。
さらにハジメちゃん、ダメ押しのセリフ・・・「羊、も~いらん!」、と。(困った奴である)
さて、今回移動の白眉は、Arthur's Pass。
国立公園内を走ることになり、絶景が続き、どこを切り取っても絵葉書の世界。
ところで、ここ3年ハジメちゃんに相手をしてもらって海外に行っている。
中国・桂林では、水墨画の世界をイカダで川下り。
ベトナムでは世界遺産ハロン湾のクルージング。
そして今回、Arthur's Pass国立公園絶景ドライブ。
でも、情感豊かな気分にならない・・・なぜなら相手ハジメちゃんだから。
まぁ、世の中そんなもんである。
(これを読んでる皆さんは、ぜひ彼女とカップルで行ってみて下さい、感動の旅を確約しましょう!)
(↑広大なArthur's Pass国立公園を走っていて左手に見えた景色、小さな粒は羊たち)
そうこう言ってるうちに、18時過ぎ頃、Springfield到着。
Takaka10:00am過ぎ出発なので約8時間かかったことになる。
今日からの宿泊施設『スマイリー』さんである。
知る人ぞ知る、日本人ボルダラーの間でも超有名。
そして、Takaka同様、こちらの奥さんも日本人。
受付で声をかけると、(外人の)ご主人が出てこられた。
「え~、Hello,I have a reservation. My name is・・・ 云々」
・・・と英語のやりとりをする。(奥さん留守だから)
「今晩食事お願いできますか?」
「食事の予約してますか?」
「してません、今言ったばかりです」
「じゃあ材料がないから・・・・」と言いながら奥さんに連絡を取ってくれた。
しばらくして、「食事大丈夫です」とご主人。
「ありがとうございます」、と私。
部屋を案内してもらい、荷物を置く。
夜7時だけど、白夜で明るいのでキャッスルヒルを見たくなった。
「今から登りに行きますけど、食事大丈夫ですか」、と私。
「10時頃、部屋に置いておきます」、とご主人。
「えっ?」
「どうぞごゆっくり」、と日本語で話す旦那。
(なんや、日本語しゃべれるやんけ!ムリして英語しゃべってんのに!)
何とも、人をくったというか、とぼけた方である。(マイッタ)
(これがスマイリーさんの看板入口、我々の借りた車が右に見えている)
この後、荷物を部屋に置き、キャッスルヒルへ向かうこと30分。
駐車場に車をおいて、散策開始。
う~ん、良い感じ。
そこいらじゅう岩だらけ、ボルダーがいっぱい。
色々歩き回って堪能・・・宿に帰ったら10時過ぎ。
シャワーを浴びて、食事を摂る。(これが超美味い!)
あ~、疲れた、11時半就寝。
(↑これが借りたツインルーム、かなりゆったりしている)
●1/3(月曜)晴れ
今日から後半戦始まり、キャスルヒルでボルダリング!
ザックを背負い、ボルダーマットを持って、ボルダラー気分。
さらに紫外線対策として、サングラスに帽子。
「どう?ボルダラーに見える?」、と私。
「あやしい東洋人にしか見えんな」、とハジメちゃん。
せっかく気分を盛り上げてるのに・・・ガックリ。
さて、キャッスルヒルには、いくつも大きなエリアがあるが、有名なのは2ヶ所・・・Spittle Hill, Quantum Field。
今日はSpittle Hillを中心に登ることにする。
まず、V1からスタート。
Jericho(V1)---A long lovely layback、と説明がある、三ツ星課題。(OS)
次に、無名課題(V1)---Fantastic exposed arete、と説明がある、三ツ星課題。(OS)
・・・う~ん、気分が良いぞ!さい先の良いスタート。
こうして、ルートクライマーからボルダラーに変身した私である。
次に向かったのが、Old School(V2)、ここでハマッた。
まず、どこにあるのか分からない。
外人に教えてもらって、やっと見つけた。
ところが、荷物を取りにちょっと離れると、「ここは、どこ?」になる。
あまりに岩が多すぎて、迷ってしまうのだ。
(恥ずかしながら、1時間くらいリングワンデリングした)
へとへとになって、ようやく元の場所に戻る。
「宿に帰ったか、思とったわ」、とハジメちゃん。
(そんな訳ないやろ!)
さて、課題『Old School』(V2)だけど、トライするけど、さっぱりダメ。
説明によると、A popular offwidth. crack, which is easier than it looks. とある。
これが大ウソ。どこが簡単やねん!(後で別なトポを見ると、V4となってるし)
最初カメラを構えていたハジメちゃんも、危なっかしいムーブをする私のスポットに入った。
(でも、後ろで私のムーブを見て、必死になって笑いをこらえている)
結局3回トライするが、さっぱり体が上がらない。
写真を見せると、こんな感じ。(↓)
あ~あ、もうトライ中止!
やってらんね~、って感じ。
身も心もへとへとになる。
次に向かったのが、有名課題『Beautiful Edges』(V4)
これは、日本にいるときから狙っていた。
ネーミングどおり、非常に美しい課題。
でも、さすがにV4、簡単に登らせてくれない。
・・・というか、1歩も足が浮かない。
スタンスつるつるで黒光りしてるし。
さきほどのオフィズスで体も弱っているし。
気を取りなおして「よし、行くぞ!」。
ところが1歩目、足が滑って膝をおもいっきり打つ。
「ううう、痛ぅ~」
またまた後ろでハジメちゃん笑ってるし。
ボルダラーへの道は厳しい。
あまりに膝が痛いので、しばらく休憩しよう。
こうして休憩していると、救世主が現れた。
「こんにちは~、日本の方ですか?」、と。
taichiroさんである。(ニュージーランド在住)
彼女と2人連れなのに、我々むさ苦しいオヤジ2人に声を掛けてくれたのだ。
「今膝を打って、休んでるんですよ、ちょっと見本を見せて下さい」、と(あつかましい)私。
「いいですよ、最近トライしてないんですが」、とtaichiroさん。
そう言って、簡単に登って見せてくれた。
う~ん、簡単やんか。
ところが、真似をするが出来ない。
(それが出来たら苦労しない、って・・・それがボルダーである)
次に、ハジメちゃんがトライした。
それが、いきなりランジで出だし解決、最終ホールドまで行って、最後のランジをせず降りてくる。
なんでやねん!あと1手やったのに。
「最後のランジする元気ない」、と。(う~ん、余裕に見えたけど)
でもこれで、俄然気力が湧いた。
結局、数回のトライでRP。(今日は大満足、って気分)
この後も、いろいろ課題を教えてもらって遊ぶ。(あ~、おもしろかった!)
「あの~、明日も一緒に登っていいですか?」、と私。
「いいですよ」
「Quantum Fieldどうでしょう?」
「いいですよ、明日はクライストチャーチからも日本人が来て、賑やかになりますよ」
「それはいいですね」
こうして、キャッスルヒル1日目終了。
例によって、暗くなるまで登ってしまった。
帰宅したら22時前、シャワーを浴びて、食堂へ向かう。
すると、今日も日本人の味を知り尽くした奥さんの手料理が待っていた。
あぁ、これこそ極楽でしょう。
「ざるそば食わせ」、と。
今回食事に関して、ハジメちゃんのクレームは無かった。(かなり満足してる様子)
私もそんな様子のハジメちゃんにホッとする。
食堂で奥さんと雑談をしながら食事をしていると、急にハジメちゃんが質問する。
「ご主人とのなれそめは?」、とハジメちゃん。
うっ、もうちょっとで喉が詰まるとこだった。
いきなり核心を突く質問・・・私には到底出来ないワザである。
(私は婉曲表現多用人間、ストレートな表現は避けている)
ホント毎回、いろんな意味で驚かされる。
これにて、キャッスルヒル初日終了。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/24/8b51ad81168a94608dc093ac1b07f8f3.jpg)
(↑これがキャッスルヒルだ!ひとつひとつの米粒が巨大ボルダー)
●1/4(火曜)曇り時々晴れ
今日はキャッスルヒル2日目にして最終日。
3時頃には終了して空港に向かわねばならない。
朝9時、キャッスルヒル駐車場でtaichiroさん、彼女のkimyさんと合流。
本日のエリアはQuantum Field。(こちらの方が大きい感じ)
印象に残ってる課題は次の3つ。
Orifice Fish(V3)・・・けっこうハイボルダー、1撃。
Lung Dyno(V4)・・・何度もトライするが、ランジが決まらず、残念。
Ode to Joy(V1)
特に、最後の『Ode to Joy』はV1だけど、グレードに関係なく、印象に残った。
なぜなら、高さ10mだから・・・。
推薦課題にリストアップされてたので、taichiroさんが案内してくれた。
見てびっくり、なんじゃこりゃ。
あまりに危険すぎる、しかもトポに髑髏マーク入ってるし。
万一登っていて「おっと」となったらオシマイ。
足を滑らせたり、乗っ越し失敗したら・・・。(最低で骨折、最高で成仏)
ペインズフォードでも最後そうだったように、選択を迫られた。(今回は危険に縁があるようだ)
でも、だんだん気合いが入ってきた。
結局無事登れてバンザイ。(ホッとした)
こうして2日目終了。
あとは、空港に向かうだけ。
シャワーも浴びさせてもらって、感謝感謝!
裏にある牧場のアルパカにも挨拶をして、さらばニュージー。
空港に到着後、レンタカー返却。
カウンターで搭乗手続き。
航空機内、ひたすら我慢大会、関空到着、翌日早朝7:30am。
関空ロビーで、ほっと一息。
「さいなら~」、と私。
「またな」、とハジメちゃん。
こうしてニュージーランド・クライミングツアーは幕を閉じた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/ca/1f4c82ec18d29043b3a54894349399f3.jpg)
(アルパカを追いかける筆者)