【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記」澤田瞳子

2016年05月06日 20時27分18秒 | 読書(歴史/時代)

与楽の飯―東大寺造仏所炊屋私記 
「与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記」澤田瞳子

奈良時代を舞台にした歴史小説。
東大寺大仏建立…そこで働く人たちを「食」から描く。
炊屋に集う様々な人たち、職能集団、工人たち。
彼らはどんな思いで大仏を作ったのか。
次の7章からなる連作長編である。

山を削りて
与薬の飯
みちの奥
媼の柿
巨仏の涙
一字一仏
鬼哭の花

P300
作事場に初めて来た日に口にした、茸と青菜の汁。冬の寒さにかじかんだ身体を温める猪汁、丁寧に漬けられた蕨の塩漬け、彼自ら川で捕獲した鰻の粥――仕丁一人一人の身を案じ、つつがなく作事を続けさせるために考えられた膳の、なんと滋味に満ちていたことか。

【おまけ】
これにて、澤田瞳子作品を全て読んだことになる。
あとは、新刊を待つだけ。

「京都はんなり暮し 京都人も知らない意外な話 」2008年・・「京都はんなり暮し」澤田瞳子


「孤鷹の天」2010年・・・
「孤鷹の天」澤田瞳子


「満つる月の如し 仏師・定朝」2012年・・・「満つる月の如し」澤田瞳子

日輪の賦 
「日輪の賦」2013年・・・「日輪の賦 」澤田瞳子


「ふたり女房」2013年・・・「ふたり女房」澤田瞳子


「夢も定かに」澤田瞳子 2013年・・・
「夢も定かに」澤田瞳子


「関越えの夜 東海道浮世がたり」2014年・・・
「関越えの夜 東海道浮世がたり」澤田瞳子


「泣くな道真-大宰府の詩-」2014年・・・「泣くな道真」澤田瞳子


「若冲」2015年 ・・・「若冲」澤田瞳子

与楽の飯―東大寺造仏所炊屋私記 
「与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記」2015年


「師走の扶持 京都鷹ケ峰御薬園日録」2016年・・・「師走の扶持」澤田瞳子

【ネット上の紹介】
奈良時代―国家の威信をかけた大事業、東大寺大仏建立。そこで働く名も残さぬ多くの若者たち。彼らの心と身体を支えるのは、一膳の飯だった。人の生と死を食の視点から描く、熱きドラマ!