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「明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語」

2017年11月07日 20時03分19秒 | 読書(小説/日本)


「明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語」大島真寿美/大山淳子/彩瀬まる千早茜/松村栄子/吉川トリコ

架空の商店街を舞台にしたアンソロジー。
なぜ、本書を読もうと思ったかというと、「粗茶一服」のスピンオフが掲載されているから。

P185
「お嬢さん、どこで弓引いているんだい」
(中略)
「〈坂東巴流〉の道場です」
 やっぱりな。方角的にそうなんじゃないかと思ったんだ。
「あ、ご存じですか!東京でも知りはらへんひとのほうが多いみたいですけど」
「まあ、そうかもしれない」
「あたし、内弟子です。って、まだ、なったばっかりやけど。今は道場から大学に通てるんです」
 さっきまで怯えてたのが、急にうちとけてきて、ニコッと笑った。佐保ちゃんというらしい。

この「粗茶一般」シリーズは完結してしまったので、続編はない。淋しいかぎりだ。
でも、このようなスピンオフでいいから、今後も出て欲しい。
切に願う。

【ネット上の紹介】
この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入口―。ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、短編を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな物語へと誘います。