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「廃墟に乞う」佐々木譲

2021年02月23日 08時46分13秒 | 読書(小説/日本)


「廃墟に乞う」佐々木譲

北海道を舞台にした、連作短編警察小説。
過去の事件により、PTSDとなった刑事が主人公。
休職中と言うことで、プライベートであちこちから事件調査の依頼が舞い込む。
北海道各地を巡ることになり、各地の風景、歴史、風俗が語られる。
そこが本作品の大きな魅力となっている。
第百四十二回直木賞受賞作。

P11
「どうしてそんなことを、おれに頼む」
 聡美は答えた。
「仙道さんが有能な刑事だと知っているからです。そしていま自宅療養中で、暇だと聞いているから」

P201
いまどきの娘がいきなり風俗営業の門を叩くことはないのだ。
家出同様に実家を出たその時期に、たぶん由美の人生には男が現れたはずである。

【備考】
北海道の旅のお供に持って行った1冊。
釧路から知床への移動で一気読み。

【ネット上の紹介】
十三年前に札幌で起きた殺人事件と、同じ手口で風俗嬢が殺害された。道警の敏腕刑事だった仙道が、犯人から連絡を受けて、故郷である旧炭鉱町へ向かう表題作をはじめ北海道の各地を舞台に、任務がもとで心身を耗弱し休職した刑事が、事件に新たな光と闇を見出す連作短編警察小説。第百四十二回直木賞受賞作。