「サウスバウンド」再読
奥田英朗作品はどれも面白いが、本作品はその中でもトップクラス。
2005年 キノベス!受賞作。
2部構成で、小学校六年生・長男の二郎の視点で描かれる。
第1部=東京編
第2部=西表編
P267
翌朝、母に話があると言われた。朝ごはんをかき込んでいると、「食べながらでいいから、話を聞いて」と母がテーブルに腰を下ろしたのだ。(中略)
「我が家は、沖縄の西表島に引っ越すことにしました」
P315
「ヤイマって何よ」
「八重山のこと。宮古より南は全部八重山。石垣や西表もそう。同じウチナーでも沖縄とはちがうの」
「沖縄とちがうって、ここ、沖縄じゃないの?」
「そうだけど、そうじゃない」
【感想】
西表島には空港がない。
アクセス方法は、石垣島まで行って、そこから港に約1時間かけて移動。
フェリーターミナルから、船で約1時間で西表島に到着。
港は2箇所、大原港と上原港。
2021年1月に石垣島に行って1週間ほど滞在したけど、西表島には行けなかった。
次回は、ぜひ訪問したいと思っている。
「石垣島2021」
【ネット上の紹介】
小学校六年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。誰が聞いても「変わってる」と言う。父が会社員だったことはない。物心ついたときからたいてい家にいる。父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、ほかの家はそうではないらしいことを知った。父はどうやら国が嫌いらしい。むかし、過激派とかいうのをやっていて、税金なんか払わない、無理して学校に行く必要などないとかよく言っている。家族でどこかの南の島に移住する計画を立てているようなのだが…。型破りな父に翻弄される家族を、少年の視点から描いた、長編大傑作。