「6カ国転校生ナージャの発見」キリーロバ・ナージャ
著者は、世界6カ国(ロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダ)で転校を繰り返した。
教育の常識や「ふつう」がひっくり返る本。
P52
フランスの小学校に転校して、初めてのお昼の時間がやってきた。「案内するよ!」と誘ってくれた隣の子と一緒にカフェテリアへ向かった。どんな給食が出るのだろうか。ワクワクしながら向かったが、出てきたのはあまりおいしくないお肉の何かと蒸し野菜だった。とりあえず、食べ始めた。カフェテリアはガラガラだった。ぜんぜん人が増える気配はない。みんなごはんを食べないのだろうか?と気になったがフランス語が話せない。身ぶり手ぶりで「みんななんで食べにこないのか?」と聞いてみた。
すると、しばらくの説明とジェスチャーで、フランスの学校では多くの人は家族と一緒にお昼と食べるために家に帰るのだということが分かった。「え、家に帰る!?」。わたしは、信じられなかった。「親は仕事じゃないの?」。しばらくしてどうやら親も同じように長めの昼休みがあって家に帰って食べる人が多いとのことだった。(中略)
ロシアの小学校は日本と同じでみんな給食だ。(中略)
アメリカの小学校はイギリスと似ていて、朝の出欠をとるときに、「HOT」(給食)か「COLD」(自前のランチ)かを先生に伝える。ここの違いは、みんな事前に配られた給食メニューを見て自分が好きな食べ物が出るときだけ給食にすることが出来ることだ。ピザ、ホットドッグ、ラザニア、タコスなどは人気で、給食を選ぶ人が普段よりも倍くらいになる。(中略)ここでは誰も嫌いなものを無理に食べさせることもしなければ、残しても問題ない。なぜなら、お金を払ったのはあなた(あなたの親)だから、お金を払ったものをどう扱うかはあなたの自由と考えると同級生から聞いた。(中略)
日本の給食の面白いところは、給食当番がみんなに給食を配ったり取り分けたりするところだ。子どもでやってもいいのか?(中略)カフェテリアがなく教室で食べるというのも新鮮だった。ただ、日本の給食にはひとつ大きな欠点がある。それは、ロシアにもいえることだが、多様性を許さないことだ。
(ムスリムやユダヤ教徒は特定の肉が食べられないし、アレルギーの子もいる。今後の課題、と思う)
【ネット上の紹介】
6つの国4つの言葉で学ぶとどうなるか?ソ連(当時)に生まれ、両親の転勤で世界6カ国(ロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダ)の地元校で教育を受けた著者ナージャが、それぞれの国での体験&発見を紹介。机の並べ方、筆記用具、テスト、ランチ…世界の教室はこんなに違った!正解はない、違いがあるだけ。「ふつう」がひっくり返り、世界の見え方が変わる本です。
第1章 ナージャの6カ国転校ツアー(筆記用具は?「よく書く」ためのえんぴつ。「よく考える」ためのペン
座席は?小学校の座席システム。実は、全部違った
体育は?ロシアの学校では、体育で整列するとき背が高い人が前だった
学年は?ロシアでは、「1年生」という学年が2学年ある
ランチは?小学校のランチシステム。実は、さまざまだった ほか)
第2章 大人になったナージャの5つの発見(「ふつう」が最大の個性だった!?
苦手なことは、克服しなくてもいい!
人見知りでも大丈夫!しゃべらなくても大丈夫!
どんな場所にも、必ずいいところがある!
6カ国の先生からもらったステキなヒントたち)