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「幕末史」半藤一利

2024年11月18日 18時41分11秒 | 読書(幕末/明治)

「幕末史」半藤一利

読み返し。

P224・・・40年説
日本は慶応元年(1865年)からはじまり、明治38年(1905年)に日露戦争が終わって日本が世界の強国の一つになるまで40年、その大日本帝国を滅ぼしてしまうのがまた40年後の昭和20年(1945年)でした。もう一つ言えば、占領下の6年半を経て、戦後日本が昭和27年(1952年)から新しい国づくりをスタートさせ、平成元年(1089年)から翌年に絶頂期を迎えたバブルがはじけたのが平成4年(1992年)ですから、これも40年かかったのです。つまり国をつくるのに40年、国を滅ぼすのにも40年。
 
P375
それにつけても、戊辰戦争とは、いってみれば幕末の“関ヶ原の戦い”であったな、と考えています。
 
版籍奉還
P399
版とは版図すなわち領地。籍とは戸籍すなわち人民。これを新政府に献上する。
 
P493
国策が開国と一致したのに、あえて戦争に持ち込んで国を混乱させ、多くの人の命を奪い、権力を奪取したのです。「維新」とカッコよく呼ばれていますが、革命であることは間違いのないところです。将軍を倒し、廃藩置県によって自分の属している藩の殿様を乗り超え、下級武士であるものが、一斉に頂点に立つ。では、つぎにどんな国を建設するのか、という青写真もヴィジョンもほとんどなく、なんです。
 
P494
つまり戊辰戦争のつづきといえるこの明治の権力をめぐってガタガタした十年間は、古代日本人的な道義主義者の西郷と、近代を代表する超合理主義の建設と秩序の政治家大久保との、やむにやまざる「私闘」であったといえそうです。

【ネット上の紹介】
嘉永六年(一八五三)六月、ペリー率いる米艦隊が浦賀沖に出現。役人たちは周章狼狽する。やがて京の都はテロに震えだし、坂本龍馬も非業の死を遂げる。将軍慶喜は朝敵となり、江戸城は開城、戊辰戦争が起こる。新政府が樹立され、下野した西郷隆盛は西南戦争で城山の地に没す―。波乱に満ち溢れた二十五年間と歴史を動かした様々な男たちを、著者独自の切り口で、語り尽くす。
「御瓦解」と「御一新」
幕末のいちばん長い日
攘夷派・開国派・一橋派・紀伊派
和宮降嫁と公武合体論
テロに震撼する京の町
すさまじき権力闘争
皇国の御為に砕身尽力
将軍死す、天皇も死す
徳川慶喜、ついに朝敵となる
勝海舟と西郷隆盛
戊辰戦争の戦死者たち
新政府の海図なしの船出
国民皆兵と不平士族
西郷どん、城山に死す
だれもいなくなった後