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「中野京子の西洋奇譚」中野京子

2020年09月22日 08時43分06秒 | 読書(怪談/奇譚)
「中野京子の西洋奇譚」中野京子
 
歴史奇譚がテーマ。
世の中には合理的に説明できない不思議な出来事がある。
 
P47-48
イエスが十字架を背負ってエルサレムの街を歩かされた時、疲れ果ててユダヤ人の靴屋の家の壁に寄りかかろうとして拒まれた。イエスは彼に言った、自分は死して安らぐが、おまえは永遠にさすらい続けねばならない、と。かくしてこのユダヤ人(ユダヤ人そのものの象徴)は、地上のどこにも安住の地はなくなった。
 
P72
ヒトラーが4月30日という日を選んで自殺したことに、何か意味があったと考える研究者がいても不思議はないし、また痛烈なナチス批判の書が、『第三のヴァルプスギスの夜』(カール・クラウス著)というタイトルなのも頷けよう。
 
P114
民俗学者の折口信夫が命名した「貴種流離譚」とは、「高貴な血脈に生まれながら自国を遠く離れてさすらい、数々の試練を経て神や尊い存在になる」という説話の1型を指す。
これは民の側から見れば、自分のすぐ近くに身をやつした貴人がいるかもしれない、との期待にもつながる。正体不明の謎の人物を「流離した貴人」と見なす、いくつかの例を見てゆこう。
 
【おまけ】
グリムに「ハーメルンの笛吹き男」がある。
「グリム童話」の中でも、異質な作品で気になる。
どうして多くの子どもたちが連れ去られたのか? 
どこに連れ去られたのか?
はっきりしていない。
 
P23『つまり、まだ万人を納得させるに足る定説はないのだ』
興味は尽きない。
昔、ドイツに行ったときも、阿部謹也先生の「ハーメルンの笛吹き男」を持って、ハーメルンを訪問した。地元の方による「野外劇」もあって楽しめた。
 
【ネット上の紹介】
笛吹き男に連れられ姿を消したハーメルンの子供たち、暗殺された二人の米大統領、その驚愕すべき共通点。悪魔に憑かれたルーダンの修道女とエクソシスト。冷戦下のソ連で学生達を襲った凄惨な未解決事件。蛙の雨、ドッペルゲンガー、犬の自殺橋、etc.事件や伝承に隠された、恐ろしい真実とは?
【目次】
ハーメルンの笛吹き男
マンドラゴラ
ジェヴォーダンの獣
幽霊城
さまよえるオランダ人
ドッペルゲンガー
ゴーレム
ブロッケン山の魔女集会
蛙の雨
ドラキュラ
犬の自殺
ホワイトハウスの幽霊
エクソシスト
貴種流離譚
デンマークの白婦人
大海難事故
コティングリー事件
十字路
斬られた首
ファウスト伝説
ディアトロフ事件
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