「梅原猛、日本仏教をゆく」梅原猛
読み返し。
P90
空也が京都の都に現れたのは36歳のころであったが、人々は彼を市聖(いちのひじり)とよんだ。
P150
明治初年の廃仏毀釈において僧侶の妻帯が勧められ、さらに戦後、日本の僧はすべて肉食妻帯をするようになった。このような僧が、釈迦の定めた戒律を厳しく守る東南アジアなどの小乗仏教の僧からは、それでも僧かといわれるのはもっともであろう。
P175
イエスなくしてパウロはないが、パウロなくして今日のキリスト教はなかった。新約聖書にしても、そのもっとも重要な部分は四つのイエス伝と多くのパウロの手紙である。
親鸞は東国で布教したが、その弟子はせいぜい数百にすぎなかった。しかし蓮如が死んだとき、浄土真宗の信者は数万、数十万に及んだ。(中略)
親鸞をイエス=キリストにたとえれば、蓮如はパウロにあたる。
【ネット上の紹介】
日本人はなぜ仏教に惹かれるのか?聖徳太子、空海、親鸞、日蓮から西行、千利休、一休、良寛、宮沢賢治まで。42人の仏教者に日本人の心の歴史を探った、著者ならではの力作。週刊朝日百科「仏教を歩く」好評連載の単行本化。
1 仏教の伝来
2 神と仏の融合
3 仏教の革命
4 仏教と芸術
5 禅の展開
6 近代の仏教者