前回、『クライミング・グローブ』と『技術革新・エイト環』について書いた。
『肩がらみ』から『エイト環ビレイ』に変化した、と。
でも、今のクライマーなら、ATCかグリグリでしょうね。
これについて、もう少し補足しておく。
どのように変わったかを思い出してみよう、と思う。
少なくとも80年代は、まだエイト環を使用していた。
肩がらみより格段に進歩した。
大きなフォールにも対応出来るようになった。
ただ、クライマーがクリップするときに、素早く繰り出しにくい。(巻き上げも)
そこで、考え出されたのが、カラビナへのちょい掛け。
さらに、エイト環の小さい方の穴にロープを通す方法。
これは、現在のATCの原理と同じ。
私の記憶では、90年代後半からATCが普及してきた、と思う。
ちなみに、現在私が使用している組み合わせは・・・
カラビナ=プラスチック止めが付いたDMM・ビレイマスター
ATC=ブラック・ダイヤモンド
グリグリは使用していないし、使用するつもりもない。
慣れているのもあるけど、ATCの方が微妙な操作ができる。
手元及び、フォールした瞬間のボディで調整している。(人為要素が大きい)
そう言えば、ボディビレイが一般化してきたのも80年代後半くらい。
それまでは、立木を利用したりしていた。
技術書にもそう書いてあったし。
フリーが広まるにつれて、ボディビレイが一般化した。
身体を使った方が、クライマーに衝撃が少ないから。
クライマーがフォールした時、ビレイヤーは身体が持って行かれる。
これが緩衝となってフォールの衝撃が薄まるから。
昔、ユージの発言で、「ビレイは立木を使わず、ボディビレイをしてくれ」と書かれていたのを思い出す。
(正確な文章は思い出せないけど、だいたい上記の内容・・・確か昔の『岩と雪』)
さて、このように現在のビレイシステムは出来た。
しかし、この方法で重要なのは、微妙なATCとボディ操作である。
立派なビレイディバイスを持っていても、修練を積まないと上達しない。
そもそも立ち位置が間違っている方が多すぎる。
皆さん、後ろに下がりすぎ!(ベテランの方でもいるぞ!)
登っている人を指導したかったら、別の方にビレイを頼もう。
(後ろに下がると周りも迷惑)
ロープが屈曲しないよう、1ピン目の真下半径1.5m以内が基本。
(もちろん岩場の状況にもよるので臨機応変)
以下、いくつか注意点を書いて、今回終了とする。
(もちろん岩場の状況にもよるので臨機応変)
以下、いくつか注意点を書いて、今回終了とする。
①1ピン目あたりでクライマーがフォールしたら、ビレイヤー激突する。
その辺は臨機応変に対処してよけながら止めて欲しい。(立ち位置重要)
②また、ボルダラーによく見かけるが、3ピン目あたりまで登っているのに、スポット体勢の方がいる。
③1ピン目~3ピン目あたりでフォールした場合、下手なビレイだとグランドする。ビレイヤーは弛ませすぎないように。
④クライマーがテンションしてルート途中でセルフをとっても、ビレイヤーはロープから手を離さないこと。(たとえグリグリでも)
⑤ロープの繰り出し、巻き上げは小まめに行うこと。(これをじゃまくさいと思う方はビレイに適さない=即ち、頼まない方がよい)
⑥登っているクライマーから目を離さないのは基本中の基本。
⑦1番間違いの無いのは、信頼できる方にビレイを頼むこと。
⑤ロープの繰り出し、巻き上げは小まめに行うこと。(これをじゃまくさいと思う方はビレイに適さない=即ち、頼まない方がよい)
⑥登っているクライマーから目を離さないのは基本中の基本。
⑦1番間違いの無いのは、信頼できる方にビレイを頼むこと。
たとえ、登るのが上手い方でも、ビレイの集中力が無い方がいるので注意しよう。
でも、結局人間のすることである・・・失敗はある。
最終的に、「この人のビレイで怪我したんならしかたない」と諦めがつくような人がベスト。
(肉親とか、親友・・・ですね。さらに、お互い保険にも加入しておくとなお良し)
【参考リンク】